1997年9月に弊社が創業して15年。その間、2000年6月からは大店法から大店立地法に出店規制のあり方が替わったのを機に、リージョナルショッピングセンターとスーパーマーケットの出店がし易くなった。特にスーパーマーケットは大きな発展期を迎え、提案型SMとEDLP型SMという2つの大潮流ができた。一方でマーケットは人口増から人口減に反転し始め、少子高齢化対策が大きな課題になってきている。
今回、弊社創業15周年企画として「少子高齢化時代におけるチェーンストアの営業政策」をテーマにチェーンストア各社の商品、販売責任者にインタビューを行った。その第一弾として、イオンリテール、ライフコーポレーション、カスミ、ヤオコー、いなげやを本号に掲載した。その中で、特にスーパーマーケット企業に共通するのは狭まった小商圏の中を顧客をセグメントしないで、いわば全方位MDで取り込んでいこうという戦略を取っていること。その手法はライフやヤオコーのように一つの業態で品揃えの幅と深さでカバーしようというグループと、カスミ、いなげやのように、提案型SM、通常SM、EDLP型SMなど多業態のドミナント展開で商圏を抑えようというグループに分かれる。
また、ローコスト化とマーチャンダイジングを両立させる動きも顕著になってきている。その一つがPCの活用。ライフ、いなげや、カスミなどは以前より活用しているが、ライフでは、餃子、カット野菜、メンチカツなどを製造、カスミもカット野菜などを製造供給、製品供給拠点としての役割を拡充してきている。店内作業の軽減と同時に品質の安定などが狙いで、鮮度管理システムや受発注システムの改善により、売場でのチャンスロスないし廃棄ロスなどの軽減が進んでいることがその背景にある。この動きはSM業界全体で拡大しそうだ。
PB開発も同じ流れにある。商品原価の低減と商品構成上のポジショニングとしての必要性が認知されたものだが、どの共同仕入れ機構にも属していなかったヤオコーが数年前から開発に着手し今では670アイテムにもなっている。ライフとヤオコーは生鮮の海外調達、留型商品、NBなどで共同仕入れに踏み出そうとしており、SM業界での新たな商品開発が本格化しそうである。
2社が増収増益で、増収減益が1社
大黒天物産 マルミヤストア ドミー
イオンリテール
素材から中食へ、どう照準を合わしていくかが今後のテーマ
執行役員食品商品企画本部長 岡田 俊美 氏
ライフコーポレーション
各商品部門ごとに強化テーマ設定して小商圏を深耕
取締役首都圏生鮮・食品本部長 幸 英樹 氏
いなげや
生鮮、デイリーを中心に独自の商品開発進める
取締役商品本部長 八丸 良久 氏
ヤオコー
新たにヤングファミリー層を取り込む商品政策に注力
取締役グロッサリー部長 反町 裕 氏
カスミ
経営理念を大事にし共感創造企業を目指す
常務取締役 上席執行役員 販売統括本部マネジャー 石井 俊樹 氏
新卒を採ることと出店を先行させないと会社は発展しません
新企画に挑戦し、ハイブリット型MDのノウハウを積み上げる
ライフ子母口店
「つきぢ田村」「大和寿司」の名店監修
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フードジャーナリスト 旭 利彦
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