水産庁は8月から日本人の魚離れに歯止めをかけ、魚の消費拡大を図るため手間をかけずに食べられる魚介加工品をファストフィッシュと名付けて展開開始した。「魚の国のしあわせ」プロジェクトとして、水産庁が消費者を水産物や魚製品に向けていくため、小売業者と生産者、メーカー、教育関係者、行政などが一体となって取り組んでいく。この趣旨に賛同した企業・団体は、販売方法や食育活動、メニュー開発、イベントなどで水産物の消費拡大を図る。被登録者には「魚の国のしあわせ」のロゴマークを送付。手軽・気軽においしく、水産物を食べられる商品としてファストフィッシュを公募。今後は「わたしたちのファストフィッシュ委員会」で月1〜2回選び、選定商品に「Fast Fish」のロゴマークを送る。
イトーヨーカ堂は8月23日から、水産庁が主唱する魚食拡大に向けた取り組みとしてファストフィッシュ商品を全国の約160店のイトーヨーカドーで販売開始した。商品は温めるだけのレンジアップ商品約20アイテムで、各店で5〜8アイテム品揃えする。販売価格は298〜398円。主な商品は「銀鮭のバジルオイル焼用」「むきえびのレモンペッパー焼用」「かきのねぎ塩」で、いずれもメーカーと共同開発し、独自のトレーを開発。
一方、イオンリテールでは8月24日から東北復興応援とファストフィッシュを合わせた三陸産の秋刀魚を使った4品を約500店で販売開始。商品は「骨取りさんまスパイシー風味(加熱用)」、「同バジル風味」「同シソ風味」(以上は規格4尾で、売価は298円)、「琥珀しめさんま昆布〆」(1枚198円)。1ヵ月で15万パックの販売を見込んでいる。この他にも東急ストアや近商ストア、いなげや、エコス、ラルズ、ダイエー、シジシージャパン、マルエツ、ユニーなども同プロジェクトに登録し、ファストフィッシュ商品を販売していく。
2006年に国民1人当りの魚介類と肉類の摂取量が逆転。日本で初めて魚介類が肉類の摂取量を下回り、その後も差が拡がりつつある。1999年から2009年までの10年間で魚介類の摂取量は21%も減少。魚食文化だった日本の伝統が衰退しつつあることに危機感を抱いた水産庁は、魚食文化復興のため、同プロジェクトを立ち上げ、簡単便利に調理できるファストフィッシュというネーミングを作り出した。
最近の魚の購買傾向としてシニア世代ほど一尾魚を購入するが、年齢が若くなるに従って切り身などの加工調理済みの魚を購入する度合いが増えてくる。魚料理の摂取機会減少の理由として若い世代には「日々忙しく、調理の時間を省きたいから」とする声が最も多かった。水産白書によると、日本人1人当りの魚種の購入数量は、1965年にはアジが1位で、2位がイカ、3位がサバだったが、1982年にはイカ、マグロ、カレイの順になり、2009年にはサケ、イカ、マグロの順になった。魚離れの原因の一つとして、単身世帯が25年前に比べて2倍に増えていることも挙げられている。簡便なファストフィッシュが増えてくれば魚の消費が回復してくるかも…。
ランドロームジャパン 他県SM勢やコンビニとの戦いを制して成長持続
ドン・キホーテ 23期連続の増収・営業増益を達成
少子高齢化時代におけるチェーンストアの営業政策特集
マルエツ
サイズMDに小量目のSSサイズ加える
取締役執行役員
営業統括生鮮商品統括部長兼日配食品部長 池野 賢司 氏
サミット
品揃えから売場づくり・売り方まで顧客志向を徹底
取締役常務執行役員 田村 詔 氏
〈こだわり〉の明日を探る 提案13年の総括
旨くて健康によい日本本来の食文化
成長への鍵は生配販の共同普及活動
惣菜コンセでカネ美食品が初出店、旧店から150m移動して営業開始
オオゼキ池尻店
人口急増地区にモダンなSM「湖国の生魚」販売は地元企業ならでは
平和堂 フレンドマート大津京店
梅雨明けが昨年より遅く、気温低下で上旬苦戦
全業態で既存店プラス企業なし、95%前後に低迷
モランボンが日配売場向けの2食入り発売
合同酒精が「ほろっと」シリーズに新商品
熱狂の夏の後に来るものは…
Copyright (C) Store Japan co. All Rights Reserved.