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No.725-1/21

店舗の黒字化戦略が前提条件の地域生協(日生協の2013年全国政策討論集会が都内で1月15日~16日まで開催)

No.725号

  2011年度は震災復興という特殊要因によって損益改善し、経常剰余金が前年比78.8%増、供給高は1.1%増の2兆5,765億円となった地域生協だが、2012年度上半期は供給高が伸びずに損益構造が悪化。このまま推移すれば通期推計では減収減益となり、2010年度水準に戻る、と日本生活協同組合連合会(日生協)では見込んでいる。特に店舗事業は供給高が2003年度以降、漸減傾向が続き、8年間の累積赤字は2,000億円以上に上る。各会員生協が店舗黒字化への戦略を描けることが大前提として建て直しを図る。


市場の質的変化への対応


  全国組合員意識調査で、若い世代中心に「食品にお金をかけたくない」が7ポイント増えたが、高齢者中心に「買物は安くても必要な量以上は買わないほうだ」も増加。個食が問題視される中、「家族全員で毎日食事をしたい」が81%、「料理を素材から手作りにしたい」が68%ある一方、「料理は手早く済ませたいほうだ」が71%。手作りしたい考えがありつつ簡便性・利便性を求めている結果が顕著で、生協も惣菜や冷食・レトルト食品の強化が必要と分析する。


  地域生協全体は2012年度上半期の業績不振から通期で減収減益を予想する。特に店舗事業は、利用人数が前年割れを続けている。生協の店と他のスーパーを比較すると成長部門である惣菜の構成比で大きく離されていると日生協では指摘する。品揃え改善と店舗内技術向上によって惣菜を含めた生鮮4部門の営業力強化を進め、魅力的な店づくりを課題に挙げている。


  生協の大きな柱である宅配事業も2007年度以降は漸減傾向だったが、2011年度は震災の影響や買い置き需要により増収増益を確保する生協が急増。利用人数の増加で利用単価の減少をカバーしている。ただ、現在は食品宅配への他社の新規参入が活発化。今後は各世代のニーズを汲み取り、生協の宅配をより利用し易い業態へと革新していく方針。


  日生協が発表した第12次全国生協中期計画(2013年~2015年)では次の3つの視点を重視して取り組んでいく。①「総合力の発揮」として組合員目線で効果的に連携・総合化を図る②「つながりのさらなる強化」として、柔軟性を持ったオープンな組織として倫理性と効率性も持って事業展開し、社会的な発信を強めていく③「持続可能な経営体質づくり」として、消費税増税に対する価格対応を準備する他、2015年以降、65歳以上の団塊世代が増え続ける中で市場の質的な変化が急速に進むための準備が必要としている。


今週の目次




今週の業界トピックス

ヤオコー 4月1日付け、代表取締役社長に川野澄人副社長が就任
ヨークベニマル ライフフーズ第3ファクトリーを建設、3月から稼動


今週の開店情報


2013年 小売団体トップの年頭メッセージ

災害対策、食品廃棄問題、エネルギー問題に取り組む
 国民生活産業・消費者団体連合会 会長 清水 信次 氏


新 激戦地 ストアシーイングMAP 3

中央林間周辺 大和市(神奈川県) 町田市(東京都)


新年トップインタビュー

10年後の目標に400店舗体制を掲げる
 ライフコーポレーション社長兼COO
   岩崎 高治 氏
活力ある次世代の育成で地域に役立つ企業目指す
 いなげや代表取締役社長
  遠藤 正敏 氏


2013年オープン予定SC(下)


SJ新店レポート

直営売場と専門店の枠にとらわれない接客重視の売場づくりを推進
 イオン貝塚店
通路幅を広げ、ゴンドラ高さも抑え、シンプルで明るい色調にしたモデル店
 西友府中四谷店


非縁社会のぬくもり・34 小澤信夫

ビックカメラ+ユニクロ=ビックロが誕生


食品スーパー2012年9月期本決算

営業利益はマルキョウを除く3社が増益
 マルキョウ、PLANT、マミーマート、ダイイチ


業界動向

AGF、果実風味の新紅茶スティック3品で市場構築へ挑戦!


食品マーケティング

<2013年上期、有力ブランド、冷食・新商品発表>
アクリフーズ、市販用へより専門色を重視
乳原料の活用はカテゴリーリーダーとして完成度を追求


今週の大店立地法公示速報


交差点

平和ボケから目覚めよう



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