万葉の昔から歌に詠まれ、歴史を刻んできた香久山、畝傍山、耳成山の大和三山。優美なその姿が臨める奈良県橿原市常磐町に4月14日、JAならけんが運営するファーマーズマーケット「まほろばキッチン」がオープンした。廃校になった県立の耳成高校のグラウンド部分18,000㎡を借り受け、全国最大規模1,236㎡の農産物直売所と、産直バイキングレストランなどを併設した施設で、新鮮な農産物を買い求め、伝統的な大和の食を楽しみたいという人たちで、連日にぎわっている=写真。素晴らしい場所、住みやすい場所を意味する「まほろば」。売場の熱気を取材した。
「まほろばキッチン」は奈良県中部を横断する中和幹線沿いにあり、平面の駐車スペースは300台を超える。藤原京の地にふさわしい宮殿建築を模した黒い屋根、白壁に朱色の柱のコントラストが美しい。太陽光発電システムを設置した屋根は大和三山をモチーフにしており、「食・農・観」の3施設が並んだ構造になっている。施設全体で年間100万人の来客数を見込み、年商目標は15億3,000万円。
体育館を思わせるような天井構造の農産物直売所では、現在340軒の兼業農家、小規模農家の人たち(登録されている出荷者は1,200人)が毎朝、採れたての農産物を届ける。農薬の使用が適切かどうかのトレサビリティチェックに合格した商品だけが売場に並べられる。連日の盛況ぶりに「経験のない大きさなので、これがすごい状態なのか、見当もつきません」(北吉温能所長)とうれしい悲鳴だ。
入口正面には「奈良いちご」の大きなノボリ。「買(こ)うてーな、買うてーな、五條の杉崎さんの紅ほっぺ、食べておいしいと思う人は買うてーや」――赤い帽子をかぶった手伝いのJA職員が試食販売もする。プロだけに、マネキンさんより商品の勧め方に説得性がある。
「ああ、もう売り切れたの?」人気の青果物は午後3時ごろには完売する。集中レジは10台常設。米は玄米から精米してくれるサービスもある。「新鮮・安価・安心・安全」が買い物の楽しさを倍加しているようだ。併設のバイキングレストランも行列を覚悟しないといけない。
西側200mには地元のスーパーおくやま橿原店が営業している。さぞかし、影響を受けていると思ってのぞいてみたが、ここも大にぎわいだった。まほろばキッチンは青果物が中心で生花や精肉もあるが、鮮魚は皆無。グロサリーなどもスーパーの方が圧倒的な品揃えなので、目下のところ、補完し合って集客している様子だ。
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