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No.748-2013/07/08

惣菜と生鮮3品を一体化したヤオコーの新型モデル

No.748号

  「新たな舞台への挑戦」としてヤオコーは6月26日、東京都東大和市に「ヤオコー東大和店」をオープンした。昨年3月に出店した川越的場店をさらに進化させ、惣菜とインストアベーカリーを売場の中心に据え、その周りに青果、鮮魚、精肉を配置して市場の活気を出した新型モデル店。生鮮4品と一般食品・日配食品とは売場を明確に分け、境目に天井まで達する壁で区切っている。惣菜売場ではおかずバイキングコーナーを常設し、味噌汁やスープ、カレーも販売。オープンキッチンの揚物・サイドディッシュ売場も島の形で展開している。


ニュータイプのSM


  1980年代のピークに年商100億円あった「ダイエー東大和店」の目の前に「イトーヨーカドー東大和店」が出店したのは2003年11月13日。当時はダイエー創業者の中内氏に代わって高木邦夫社長がこれまでの路線から脱却しようとしている最中だった。ダイエーの2倍の店舗面積で出店してきた競合店に対抗するため、ヨーカドーの出店前に店主導で食品売場を改良した。元々は「忠実屋東大和店」。忠実屋がダイエーに吸収合併されると屋号をダイエーに変更しながら1975年7月15日から営業を続けてきた店であり、建物の老朽化に伴って2012年5月6日に閉鎖している。


  その1年後、「ダイエー東大和店」の跡地に6月26日、「ヤオコー東大和店」が出店した。ヤオコーは土地も購入して総投資額は57億円かけた。もちろん道路を挟んだ向かい側にはヨーカドーが営業しており、意識しない訳がない。ヤオコーでは今回の店で様々なチャレンジを行い、昨年3月にオープンした川越的場店の反省に基づいた売場構成と商品力の強化に積極的に取り組んだ。


  ヤオコーは1998年10月の狭山店の全面改装で、生鮮・デリカを充実したエブリディ・ライフスタイルアソートメント型SMづくりをスタートさせ、狭山店改装以後もモデル店づくりを進め、2000年4月に川越山田店、2003年3月に川越南古谷店、2004年6月にワカバウォーク店をオープン。小商圏高頻度来店の店づくりとチェーンとしての個店経営を推進してきた。


  東大和店は、デリカを中心として、生鮮4品全体でさらなる売場の専門店化に取り組んだ。ヤオコーの他の店に水平展開していくには現状では手間のかかる店内製造商品も東大和店では販売している。ベーカリー部門が製造したタルト生地に、青果部門のフルーツを乗せたフルーツタルトなどが一例といえる。(6~10頁に関連記事)


今週の目次




流通羅針盤

経済産業省がメーカーの価格指定容認を示唆する動き


今週の業界トピックス

日本スーパーマーケット協会 消費増税は本体価格のみ表示の外税方式を推奨
西友 「SEIYUドッドコム」開業、店とセンターから宅配
セブン-イレブン・ジャパン 新たな消費拡大へ、夏の恵方巻発売
ラルズ 独禁法違反で12億8,713万円の課徴金


今週の開店情報


SJ新店レポート

ランチニーズを見込んだ、おかずバイキングにカレーや味噌汁も提供
 ヤオコー東大和店
オープンキッチン惣菜がメインの駅前店、高架下300坪のフラグシップ目指す
 クイーンズ伊勢丹武蔵境店
買物シーンに合わせた新商品分類を初導入した500坪型SM
 マルエツ長津田駅前店


新 激戦地 ストアシーイングMAP 2

千里中央地区 大阪府|豊中市


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

商人としての原点をいかに植えつけるか、がSM経営の大きな分かれ目に


企業動向

花王、特保認証の差別化缶コーヒー「ヘルシア」がヒット


塗り替わる〈焼酎〉地図 国分酒類統括部 栗原 康誌氏に聞く

焼酎に求められる付加価値とストーリー性ある商品開発
「RTDからRTSへ」ヤング対象には斬新な切り口と売場での提案強化


SJレポート

スーパーマーケット2013年中元商戦開始


ハマさんのコーヒーブレーク・105 コラムニスト 浜本經道

「価格決定権はどちらに?」


食品マーケティング 冷食、下期向け新商品発売発表

ニチレイフーズ「ほっとするおかず」~「お弁当にGood!」
 *カゴメ<食塩無添加>トマト、野菜飲料販促強化


今週の大店立地法公示速報


交差点

暑い夏をアイデアで凌ごう!



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