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No.752-2013/08/12

奈良の元気な食品スーパー「おくやま」が高田店を開店

No.752号

  万葉の香りがする優美な畝傍、耳成、香具山の「大和三山」に囲まれた奈良県中部を東西に貫く「中和(ちゅうわ)幹線」沿いに7月25日、「安くていい商品が揃っている」と支持を集める「食品スーパーおくやま」が高田店をオープンさせた。元々は田んぼだった1,400坪の敷地に、前面だけで208台の駐車場を備えたワンフロア570坪(1,881㎡)の店舗で、年商目標は20億円。これで6店舗となったが、小型店を除く全てが20億円後半の売上を誇るから、並み居るチェーンも顔負けの数字だ。NBはいつも安く、鮮魚はプロのお眼鏡にもかなう。バックヤードも広く、従業員も働きやすい――そんなスーパーが気をはいている。


小兵が胸を借り、挑戦する


  スーパーおくやまは、創業者の奥山務氏が昭和47年に、奈良県の磯城郡田原本町内で創業した。元々はトラックで、青果を積み込んで販売していたが、肉、魚と増やし、後にスーパーに転じた。「たとえ目が不自由なお客さんでも、満足して買い物ができる」という創業時からの“奥山イズム”が人気を支えている。


  中和幹線沿い東3㎞に橿原店があり、西の方では、ユニーが大型SCを建設中の上牧地区に出店している。高田店のオープンで、東西3~5km圏に店舗が並んだ。いずれも距離が近いので商圏はかぶるが、商品のやりくりや応援人員の要請もたやすくできるメリットも。


  高田店の北300mには、5年前にオープンしたイズミヤのスーパーセンター広陵店がある。こんな、強力な競合店があるのに、あえて出店した小兵のスーパーおくやま。「相手は大学生、それに比べるとこちらは小学生です。でも、商売する限りは『勝ちに行く』覚悟で、やらせてもらいます」(中條真樹店長)。イズミヤにとっては誠に困った“小学生の出現”だ。


  どこのスーパー団体に所属する事もなく、本店がある新町店(田原本町)で本部機能を兼ねる。これまで、地元では評判を呼んでいたが、数字等が明らかになることはなかった。大型店の進出に苦しむ中小生き残りのモデルケースとして、大手にはない小回りを利かした経営の見本として、「スーパーおくやま」見学を“夏休みの宿題”としてはどうだろうか?


今週の目次




流通羅針盤

SMのM&Aが大小問わず急増、規模の利益で生き残りを図る


今週の業界トピックス

イトーヨーカ堂 南大沢店で移動販売を開始、多摩ニュータウンで
江南 2店舗の老舗SMが破産手続き、負債総額12億円
いなげや 営業統括直轄で、カード会員データの活用を促進へ
日本スーパーマーケット協会 第6回新規事業研究セミナー開催
昭和産業 家庭用7品を新発売、販売目標28億円狙う


今週の開店情報


SJ新店・改装店レポート

シンプルな売場とし、効率性を追求したEDLP型
 マミーマート流山セントラルパーク店
ダイエーのリ・スタート「初めの一歩」は「中食の集合体の売場」
 ダイエー グルメシティ水無瀬店
惣菜・生鮮強化のため全面改装した2層式のコンビネーションストア
 ライフ新座店


2013年52週MDカレンダー(2013年10月)

すぐに役立つ2ヶ月前情報


SJ決算レポート(生協篇②)

店舗事業の経常は悪化し35億円の赤字
 首都圏に巨大生協コープみらい誕生


ハマさんのコーヒーブレーク・106 コラムニスト 浜本經道

健康な食事は不健康


〈フード紀行〉で新風 三井食品フードショー2013盛況

「賑わい・魅せる・つなぐ」で食を創造、マルシェ風の中に世界と日本の逸品


食品マーケティング

マルハニチロ食品(-8月5日号続きー)
 *メディケア食品「歯ぐきでつぶせる」麺シリーズ
<家庭用冷食 2013年下期向け新商品>
 *テーブルマーク、うどんの徹底的な強化へ
 *ケイエス冷食、新商品は和のメニューが特徴


今週の大店立地法公示速報


交差点

横浜の超人気エリア



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