たいらやは、このほど開店したプライムマートテクノ店(栃木県宇都宮市)鮮魚売場で鮮魚部門で仕入れた新鮮な魚介類を使用して店内製造したレンジアップ商品、オーブン商品を開発し、販売している。イカを使ったピザ、エビとホタテなどによるチーズフォンデュなど南欧の居酒屋メニューをオープンキッチン売場の一角を使って展開。時短調理が求められている消費環境とエビなどの相場が高騰していることへの対応。生鮮分野のデリカ化が着実に進んでいる。
20年ほど前、当時サミット社長だった荒井伸也さん(現オール日本スーパーマーケット協会会長)が、「スーパーマーケットはいずれ生鮮各部門で総菜を売る総菜業になる」と言われていたのを最近、よく思い出す。そうした先見性から、サミットでは惣菜とは言わないで「総菜」という表現にこだわっているのかもしれないが、最近の店づくりはサミットに限らず、生鮮素材からデリカ化へのシフトが凄い。
表紙に掲載した、たいらやのプライムマートテクノ店(本号新店レポートで掲載)では、鮮魚売場で仕入れたイカやエビを使ってピザなどのメニューを店内製造している。同社では、これまでも先行店舗でこうしたデリカ商品を開発しノウハウを蓄積、鮮魚に限らず、精肉、青果でも自部門の原料を使用して付加価値商品を開発。1か所に集合させたり、自部門売場で展開したりしている。メリットは仕入れたばかりの生原料を使え、鮮度感をアピールできることだ。
富山県を中心に30店舗展開し、高接客低価格戦略で平均年商20億円の繁盛店経営をしている大阪屋ショップでも最近は、鮮魚売場で朝どれのふくらぎ(ブリ)などを使ったレンジ商品を店内製造し、その抜群の鮮度感で人気を集めている。
先ごろ開店したダイエーも相武台店で、惣菜と鮮魚の課長を兼務にして、鮮魚の魚を惣菜部門に移動させて生寿司や焼魚を提供し易くしている。サミットでも生鮮3品の各部門で生原料を使って、サラダ、カットフルーツ、焼魚、ハンバーグなどを各部門で製造し提供。ハンバーグの売上が挽肉の売上を上回るという状況が生れている、というほど高い支持を集めている。
食の外部化比率が40数%になり、有職主婦の比率が7割といわれる時代。より美味しいものという消費者ニーズに応えるべく、生鮮素材から生鮮デリカへの波はますます大きくなりそうだ。
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