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No.773-2014/01/20

消費増税前にプチ贅沢なPBをコンビニが積極投入

No.773号

  今年4月1日を境にして消費税率が5%から8%に引き上げられるが、これを契機として消費者の購買傾向が変化すると見る動きが活発。メーカーではブランドスイッチを狙う。増税後は消費者が従来購入してきたブランドとは異なる競合ブランドへと乗り移りやすい心理が働くため、よりクオリティを高めた商品の発売が今春から開始されようとしている。そんな中、ファミリーマートは今年1月から2月にかけて素材や製法、見た目にこだわったファミマプレミアムシリーズの新商品を立て続けに発売開始。フォアグラやトリュフ、ポルチーニ茸といった従来のコンビニではあまりお目にかからなかった高級食材を使ったメニューも開発した。


変革がキーワード


  ファミリーマートは1月14日から、ファミマプレミアムシリーズの展開カテゴリーを拡大し新商品を発売開始した。同社は4月1日の消費増税後を見越して品質を強化した商品ラインアップを強化。顧客満足向上を図り、一番身近な専門店を目指したコンビニの商品政策を継続する。ファミリーマートはプチ贅沢ニーズの取り込みを狙って、素材や製法、見た目にこだわった圧倒的な差別化を図る。


  1月14日発売のファミマプレミアムシリーズは2品。一つは牛スネ肉を盛り付け、ポルチーニ茸やマッシュルーム、ハーブを加えた濃厚ソースに、トマトソースで炒めたパスタと合わせた「牛肉の煮込みソースパスタ」(売価530円)、もう一つはバターと生クリームを配合した「デニッシュ食パン」(250円)。この他、1月21日発売のポルチーニ茸とトリュフ入りの「クリームコロッケ」(150円・60万個の数量限定)、1月28日発売のフォアグラパテ添え「黒毛和牛入りハンバーグ弁当」(690円)、1月31日発売の「生チョコレート」(290円)、2月4日発売の「サンドツナ野菜ミックスサンド」(240円)と続々と新商品を投入。


  「お客様の期待を超えようをコンセプトに商品開発している」とファミリーマート玉巻裕章常務取締役常務執行役員商品本部長兼物流・品質管理本部長。現在進めている商品戦略の一つがプレミアムシリーズ。昨年のクリスマスとイブにはプレミアムチキンの売上が前年同日比90%増と好調。7,000店に導入し、今年2月末までには9,500店の導入を予定しているファミマカフェは前年比15%増で推移。昨年12月には258円のプレミアムおむすびも投入し好調だった。


  「[チェンジ オア ダイ(変革か死か)]を略したCODを掲げて商品本部では取り組んでいる」と玉巻常務。「特に力を入れてきたのが、今までよりも商品の入れ替えの頻度をゆっくりとして、一品一品の価値を高めた試み」と強調する。「今後はプレミアムシリーズで惣菜(おかず)分野にも進出し、代替の効かない商品を必ず取り揃える『機能数マネジメント』として最も力を入れていきたいのが冷凍食品」と語る。「今年は物流の変革も進めたい」。


今週の目次




今週の業界トピックス

西友 増税前のまとめ買い意向の調査を実施
イオン 第3四半期、増収減益、金融事業、ディベロッパー事業好調


今週の開店情報


2013年のオープンSC及び閉鎖・対象外SC一覧

昨年は東京駅前や大阪駅前など計65件のSCが開業
 関東・甲信越地域が32件と最も多く出店


新春トップインタビュー

人と人の触れ合いのあるSMづくり目指す
 ライフコーポレーション 代表取締役社長 岩崎 高治 氏


スーパー2014年5月期中間決算

大黒天物産/マルミヤストア/ドミー


SJ新店・改装店レポート

ピロティの2層式の売場で、2階に生鮮と惣菜、日配を集合
 ライフ西蒲田店
黒字化したザ・プライスの食品最大店舗、味・鮮度・品質を第一に安さを追求
 イトーヨーカ堂 ザ・プライス野田店
隣地のマンション建設に合わせて改装、直結の買物カート道を作り集客
 リブレ京成新柴又店


業界展望

大手の出店攻勢と商品戦略が中堅以下の出店を縮小
 今年度の出店計画は大手3社で4,000店超と過去最高


食品マーケティング

冷食メーカー春季新商品発表もアクリフーズ群馬工場の農薬問題で重苦しさ
 *味の素、業界トップでの発表、Cook Do~冷食まで試食展示会


激動の流通革命変遷史・7 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 チェーンの形態について考察する


今週の大店立地法公示速報


交差点

食にまつわる事件



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