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No.779-2014/03/03

即食系で成功したSMが地域一番店に

No.779号

  流通業の最大関心事は4月1日からの消費税5%から8%の税率アップだ。売場で値札に本体価格と総額表示で併記している店は前日の営業時間終了後に従前の値札シールをはがす作業に追われる。消費動向としては消費税増税前の買いだめ需要と増税後の買い控えが予測されている。米や調味料、飲料などの消費期限の長い商品は買い置きが可能だが、日持ちしない生鮮食品や惣菜、デイリー商品はあまり影響を受けないと見られている。特にデリカは社会的なニーズとして強まることはあっても弱まることはありえず、売場の中での演出の仕方や見栄えの良い弁当やおかずを開発し、ある程度の美味しさと値ごろ感を客に植え付けられれば、販売が落ち込むことはないだろう。


店の支持率は惣菜で決まる


  ヨークベニマルは2月6日(木)、「ヨークベニマル大平町店」を栃木県栃木市にオープンしたが、最近、同社が積極的に売場内で打ち出している平台の「だんらんデリ」コーナーを中心に惣菜売場を強化。その近くにはサラダやヨーグルト、デザート、アイス、冷凍食品、インストアベーカリーを集めた即食系商品としてコーナー化している。


  年商18億円を見込んでいる大平町店の売場面積は1,046坪で、このうち直営の衣料品売場が350坪。衣料品の売上構成比は11.1%を想定しているが、ヨークベニマルの子会社ライフフーズが運営する惣菜はそれを上回る13.7%(うち寿司は2.9%、インストアベーカリーは2.1%)を見込んでおり、青果の13.1%、精肉の10.3%、鮮魚の7.9%よりも高い売上構成比を狙っている。


  ヨークベニマルに限らず、お客に支持されているSMはデリカ売場の演出や商品開発に非常に注力して取り組んでいる。惣菜のスペースを広く取り、ピーク時には試食も実施。店内製造のできたて、健康志向、見栄えの良さ、味にこだわって、常に新たな商品を販売し、店の看板商品となる模索を続けている。


  専門店の味をSMのデリカ売場で提供する試みも積極的。最近ではインストアベーカリーでドーナツ専門店のようなドーナツを数種類販売するSMも増え、バーガーやサンドイッチのアイテムも増加している。食パンやバケットにも従来よりグレードアップした商品を投入。ベーカリー専用レジカウンターの近くにセルフコーヒーマシンを常設して、店内で飲食できるイートインスペースを併設している。


  政府は消費税増税後に適正な価格転嫁が実行されていくかに異常なほど神経を尖らせているが、そのカテゴリーは加工食品や日配商品であり、相場の影響を受けやすい生鮮3品や惣菜は価格転嫁したかどうかが見えにくい。消費者には見栄えの良さと美味しさ、値ごろを感じてもらえれば、デリカは売れ続けるカテゴリーであり、ワインなどの酒類と関連した提案もしやすい商品だ。


今週の目次




今週の業界トピックス

イオン、西友など 業態を超えた増税前の駆け込み需要を狙った商戦過熱
全日食&AJD 全日食は生鮮中心、AJDは日用品を供給
SM3団体統計発表 昨年10月を潮目に、前年売上を連続クリア
日本製粉 5,000名の女性限定ランニングイベントに協賛


今週の開店情報


激動の流通革命変遷史・10 小澤信夫


大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる

スーパーマーケット商法は科学的・合理的管理を志向し、顧客ターゲットは大衆である


SJ新店レポート

昼限定で500円弁当バイキングを実施し、神奈川県の丘陵地に展開
 ヤオコー藤沢柄沢店
大病院が近い都内新宿区の住宅地、1階と2階の2フロアで売場展開
 ライフ若松河田駅前店


チェーンストア・コンビニの1月度販売概況

SM、SCが相場高、気温高の影響で好調に推移
 セブンは既存店伸率104.2%と大きく数字を伸ばす


(和)の売り方再考 黙っていてはブームは来ない

今年も賑わった全国の物産大展示会、五味商店は日本の食文化伝承に注力


豚肉品揃えの再構築 「やまと豚」フリーデンの提案

テーマは「畜種別から用途別品揃え」への切り換え


企業動向

雪印メグミルク、研究と商品の一体化推進した春季新商品並ぶ


食品マーケティング

ケイエス冷食、目標は売れ筋ラインアップの強化
 *上期はロングセラーのリニューアルに新商品5品目
日東ベスト、インストア惣菜へ「味噌たれ焼肉シリーズ」
マルハニチロ食品、メディケア営業部
 *在宅向けUDF新商品はチキンカレーなど7品種


今週の大店立地法公示速報


交差点

見えない市販売りUDFの見通し



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