消費税が4月1日より5%から8%にアップするのを控え、3月1日からチェーンストア各社で、まとめ買いを促すセールが本格的に始まった。一般に、日常必需品を多く扱うスーパーマーケットでは、消費期限が長く買い溜めの効く生活用品などから特売を始め、米、酒など徐々に消費期限が短いものに対象商品を移し、直前では冷凍食品、生鮮食品などの特売合戦が激しくなるものと見られる。一方で4月以降の買い控えを想定して、上質の差別化商品を売り込む動きも出ている。
スーパーマーケット業界における消費増税前の駆け込み需要のピークは3月15日以降、とりわけ春分の日の21日からの3連休と最終の28日から31日までの4日間と見られている。表示もこれまでの総額のみから税抜きの本体価格を併記する形に変更する企業が多いことから、17年前の前回以上に店頭現場での作業の煩雑さが予想される。
問題は4月以降の買い控え対策だろう。表示と税の徴収方法にはSMの場合、本体価格のみの外税方式、本体と総額の併記での外税方式、併記での内税方式の3パターンになるが、いずれにしても本体価格が表示されることになり、本体価格での値頃感の打ち出しが焦点になってくる。
多くの企業では、8%への移行時に値上げしたと言われるの嫌って、機械的に本体価格を算出するものとみられる。そうすると末尾に1とか4になるケースが増える。それを避け0円など座りの良い数字にするために留型商品の開発数を増やしたり、既存の留型商品の容量など仕様を変えて実質的に値下げする動きが先行してでている。
昨年12月から本体価格のみの外税方式に切り替えたある地場SMでは機械的に本体価格を算出するのではなく、価格体系そのものを見直して半数を実質的に値下げし半数を以前の税込価格に据え置いて実質値上げした。せんべいなどのこだわり品は価格を据え置いても売れ行きは変わらなかったが、298円弁当など売れ筋品は敏感に反応されて本来の本体価格の284円に戻した。結果として客単価、特に1品単価が上がった(客数は横ばい)。
この企業では、スパゲッティなどで上質品を差し込む政策を同時に進めていて、上質にシフトする商品構成の見直しも行っている。これも単価アップに繋がった。4月以降、こうした価格だけではない、新たな価値を提供できるかのマーチャンダイジング力が真に問われる時代に入るものとみられる。
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