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No.786-2014/04/28

「憩いの場」としてイートインコーナー設置するSMが増える

No.786号

  地域密着型SMの新店に最近、店内で購入した商品が飲食できるイートインコーナーが増えている。イートインとは食物販と客席の部分を併用する営業スタイル。そもそもはテイクアウト(持ち帰り)とイートイン(店内飲食)の両方の客を対象とするファーストフード店が実施してきた手法。SMでは高齢者が買物の途中で一休みするために利用したり、平日午後に幼児連れの若い主婦同士が談笑したり、女子学生グループがファーストフード店と同じ感覚で会話を楽しむ。あるいは学習塾に行く前の受験生が1人で飲食しながら勉強、と利用形態は様々。もっとイートインスペースをSMが活用できれば、情報発信拠点として来店動機の大きなポイントになるはずだ。


イートインコーナーの役割


  ニューヨークやシカゴで人気のあるSMに共通しているのはイートインコーナーがある点。フェアウェイやウェグマンにあり、ホールフーズマーケットではバイキング形式のデリカコーナーの他にサンドイッチを目の前で作るコーナーも併設する。


  日本のSMでも最近、イートインコーナー近くにセルフコーヒーマシンを置き、コーヒーと一緒に店内商品を飲食してもらう動きがあり、セブン‐イレブンを中心としたコンビニのセルフコーヒーの大ヒットに伴い今後も増えそうだ。また、コーヒーと相性の良いドーナツやサンドイッチ、ピザを店内製造するインストアベーカリーを隣接する店も増加。インストアベーカリーとデリカ売場を一体化し、店内でゆっくりと飲食してもらう店も出て来た。


  コンビニではセルフコーヒーマシンを導入することで関連商品の併売を誘うが、SMも同様だ。SMやコンビニに共通しているのは、ファーストフード店のミスタードーナツやサブウェイ、ピザーラ、スターバックス、タリーズといった専門店からの顧客奪取。内食・中食ニーズだけでなく、外食の顧客も取り込むことで成長を図る。郊外の住宅地の店以外にも、駅前やオフィス街の小型SMにもイートインコーナーを設置する店が登場している。


  セルフコーヒーマシンの新設、インストアベーカリーとの融合など、今後はイートインコーナーを中心としてSMは進化していく可能性も秘めている。セルフコーヒーマシンは、夏場はアイスコーヒーの需要を見込み、氷入りのカップを冷凍庫に陳列しているところもあり、フラッペ(かき氷)も販売可能だ。イートインコーナーは、育成会や子供のスポーツチームなど地域住民のパーティスペースとして活用できないだろうか。一方、イートインコーナーで休憩している客に対して、新商品の試飲試食を実施して反応を見る機会もあってもよさそうだ。単なる休憩所というだけではない、様々な可能性をSMのイートインコーナーが持っており、イベントとの連動を図れば、売上増も期待できそうだ。今号と5月19日号ではイートインコーナーの現状と可能性を考えてみたい。


今週の目次




SJトップインタビュー

チャレンジして考える社員育てる
  いなげや代表取締役社長 成瀬 直人 氏


今週の業界トピックス

八社会とCGC PB商品の製造委託で提携、22日から5品目を発売
イズミ ドライとチルドを統合した広島物流センター着工
昭和産業 6月人事で四宮専務が次期昭産商事社長に


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

専門知識・技術と数値責任を持ったインストラクターを置いてプロ商人を作ろう


イートインコーナーの可能性〈上〉

「憩いの場」としてSMにイートインコーナーが必要
 サミット 代表取締役社長 田尻 一 氏
サミットストア野沢龍雲寺店
サミットストア成城店
いなげや下石神井店


SJ新店レポート

九州の企業が横浜に売場400坪強のSMを居抜き、
同店を足がかりに首都圏の出店を加速
 フードウェイ新横浜プリンスぺぺ店


健康市場を活性化 大塚製薬のニュートラシューティカルズ戦略

ポカリ・ソイリューション堅調に推移
継続&開発力で「こだわり製品」活況


初夏の新商品

森永乳業がアイス・カフェラテ・煉乳を発売


企業動向

竹内サークルKサンクス社長、今年度の経営方針を発表


食品マーケティング

マルハニチロが市販用・冷食で「おいしいおかず」シリーズ化へ
 *新・中華街シリーズと並行して食卓惣菜へ挑戦
 *アクリフーズ群馬工場でのテロ行為は第三者検証委員会と連動で改善へ


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

AEI INTER WORLD「北海道産山わさび」
 北海道人のホームフードを洗練された加工食品に


今週の大店立地法公示速報


交差点

やり切れない現実



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