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No.793-2014/06/23

売場100坪を基準とした小型店戦略へと突き進む動き

No.793号

  売場100坪前後の小型SMが人口の多い首都圏で急増している。いなげやは今年1月30日に売場90坪の「エスビィ清瀬店」を東京都清瀬市に出店し、立川南口店と久米川通り店と合わせて3店を展開。小型SMは東急ストアも「フードステーション」として駅前で3店、京王ストアもコンビニタイプで「エクスプレス」として3店営業し、三越伊勢丹フードサービスは「クイーンズアイ」で2店、紀ノ国屋は「オモ」で1店展開する。急速に店舗数を増やしているのはイオングループで、まいばすけっと、アコレ、イオンリカーなどがある。近くて便利な小型SMはコンビニ的なサービス機能を付加しチェーンとしての飛躍を図る。


進化する小型SMとコンビニ


  首都圏で小型SMの店舗数を急増させているのがイオン。子会社まいばすけっとは2013年2月時点で330店だったが、1年後の2014年2月末には450店に。イオンリテールは小型食品DSアコレもテスコジャパンだった「つるかめ」からの業態転換で店舗数を増やしており、もうすぐ100店を突破する勢い。また、26店展開するイオンリカーは同じイオングループでリカーショップを東北中心に300店超展開している「やまや」が関東にも店舗網を拡大し(1都6県で70店超)、今後どう棲み分けを図っていくのか予測がつかない状況にある。


  イオングループ化したダイエーの子会社には24時間営業で小型食品DSをチェーン展開しているビッグ・エーがあり、2013年2月期の売上は600億円超、店舗数は180店を超えているが、昨年末から従来の90坪タイプから一回り小さな70坪の売場の新型店を開発しており、2016年度末までに300店・年商1,000億円を目指している。同様にマルエツもマルエツプチを50店以上展開し、ユニーは80店展開するミニピアゴの出店を加速させ、今年中に100店体制を狙う。


  首都圏だけでなく地方の都市部でも実験的に小型店出店の動きが出てきている。バローは7月に売場120坪の小型SMを愛知県一宮市に出店する。岡山市の両備ストアは2013年11月に都市型小型SMの1号店「森のマルシェ」桑田町店をオープン。同じ岡山市の天満屋ストアでは2012年7月に「ハピーズミニ」表町店を出店したが、今年3月に閉鎖している。


  都市部で小型SMが増えている一方で、売場30坪のコンビニは生鮮強化型の70坪タイプやイートインスペースを配置したりで大型化している。また、ドラッグストアやカラオケ、カフェや定食店などの外食企業とコラボした複合店化を進めている。フランチャイズチェーン加盟店を中心とするコンビニと基本的に直営店で展開する小型SMという大きな運営上の違いはある。ただ、どちらも従来にはない品揃えやサービス機能を付加して進化した店づくりを目指し、客の支持を得ようと必死だ。


今週の目次




流通羅針盤

ファミマ、異業種と提携、複合型店舗で出店加速


今週の業界トピックス

オール日本スーパーマーケット協会
 グループ共有ブランドを刷新し、新ロゴとデザインの「くらし良好」を今秋発売
激突 首都圏中元商戦(1) 西友、他社からの中元乗換えに500円引き戦法!
松屋 松屋銀座の地下食品売場を大改装
ファミリーマート カウンター商材強化
三井食品 2014年3月期決算 売上高過去最高の7,000億円を突破


今週の開店情報

SJ新店レポート
簡便・即食などのコンビニニーズに応える駅高架下の300坪SM
 デイリーカナートイズミヤ杭瀬店
競合ひしめく練馬駅目の前に出店。惣菜・簡便強化で単身世帯、若い世代へ対応
 ライフ ココネリ練馬駅前店
次世代店舗モデルとし、ピザやサラダをオープンキッチン化
 クイーンズ伊勢丹 石神井公園店


社会貢献と販売支援 大塚製薬のニュートラシューティカルズ

主力部門中心に2013年度も順調に推移
既存路線と新分野開発で今期も前進


〈Daily Rich〉 明治 新シリーズを開発

新機軸「チルド加工食品」事業を開始


激動の流通革命変遷史・17 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


今週の大店立地法公示速報


交差点

戦う青果店の工夫



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