東京の中央線沿線で9店舗を展開する三浦屋は全国各地から話題の商品を取り寄せてコーナーを作っている。国立店では床尺6尺のゴンドラを同コーナーに当て名物コーナーになっている。お客の声や雑誌などで話題になっている商品をいち早く取り寄せる。定番に昇格する商品も多いという。
三浦屋の「お取り寄せ」コーナーは首都圏で9店舗というコンパクトな店舗数を生かしたマーチャンダイジングだ。「通販でも入手困難な」調達の難しい希少価値の高い商品を集めているところでオリジナリティを発揮している。お客の要望や、雑誌、本などの情報にアンテナを張って、これはと思う商品はいち早く取り入れるように努力しているという。
今では、石垣島・辺銀(ペンギン)食堂のにんにく油、石垣島のラー油、ほぐし鮭、五代の梅胡麻、天の橋立オイルサーディンなどが売れ筋。最近では八王子・一丁庵のだし醤油が人気で定番にも入ってきている。
取引先への注文はFAX、物流は宅配便というケースが多い。メーカーも地方の中小企業が多く、大量生産する商品でないだけに三浦屋のような規模の方が互いに取引がし易いというメリットもあって、このコーナーは全店で展開し、長続きしている。無名な商品が多いだけに店としても放っておいて売れるわけもなく、チラシの広告に入れたり、コトPOPをこまめに書いたりして、売れるように育てている。
また、これとは別に地方の名産品を集めた地方フェアを年間10回ほど行ったり、菓子で諸国銘菓コーナーを常設したりしていて、地方を意識したマーチャンダイジングが目立つ。「他店にない珍しいものが豊富にある」「地方の名産品フェアが良い」といったお客の声もあって、地方が同社MDの大きなキーワードになっているようだ。
農産物、水産物、畜産物など食の源はほとんどが地方にある。だから、食の源流をたどれば地方に行き着くのは当然といえば当然だが、NBとなると産地色が消えて食材の持つゴツゴツ感がなくなる。三浦屋は都会にあって地方を感じさせるユニークな店舗だ。
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