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No.798-2014/07/28

小型SM+ドラッグストアを複合したベイシアマート

No.798号

  ベイシアが2004年4月から実験展開している小型SM「ベイシアマート」が再度、路線変更した。今年3月にベイシア電器からベイシアマートへと業態転換した佐野店は、従来のベイシアマートとは異なり、医薬品や日用雑貨を充実した店舗とし、7月17日には同タイプ2店目となる、つきのわ店を出店。現在も出店が増え続けているドラッグストアの開発力やローコストな運営方法を吸収し、多店舗化を狙う。佐野店、つきのわ店とも好調なスタートと同社。各店とも年商5.5億円を計画する。現時点でベイシアマートは21店だが、来年にかけて30店体制を目指し、ベイシアは大型のスーパーセンター、中型のスーパーマーケットと合わせて3本の業態で今後はドミナント形成を進める。


ドラッグ強化した小型SM


  ベイシアが展開している小型店ベイシアマートはこの10年間に何度も売場を変化させている。2004年4月に開始した当初、1号店の尾島店(現在は閉鎖)はバラエティショップと位置づけ、菓子や調味料、即席麺、酒・飲料の他に日配、青果といった食品と日用雑貨を売場の半分ずつに分けて配置。精肉や鮮魚は扱わず、日用雑貨は100円ショップのような品揃えだった。


  最初の路線変更は2006年9月で、地元スーパー閉鎖後に居抜き出店した「ベイシアマート倉賀野店」で生鮮3品を本格販売。さらに、2009年9月には「ベイシアマート深谷上野台店」で日用雑貨を大幅に絞り生鮮3品中心のSMへと方針転換した


  そして今年3月に出店した佐野店では医薬品に加え化粧品や日用雑貨を充実したドラッグストアとSMを融合させた業態へ再転換。7月11日にオープンした、つきのわ店も同タイプで、今後ベイシアマートの新店はこのタイプとし、既存店も医薬品を揃えた店に順次改装。来年にかけて30店体制を目指す。


  ベイシアマートは生鮮や惣菜全てをアウトパックにしてバックヤードを小さくし、駐車場も50~10台と広くない。当初は売場200~300坪で居抜き出店主体に開発していたが、今回の新タイプでは400~450坪と若干大きくした。ドラッグストアの機能を持たせて医薬品を2,600アイテム揃え、この他に化粧品やダイエット食品、日用消耗品など幅広く取り扱う。ポイントは医薬品も販売する利便性を高めたSMとしての集客力強化。生鮮3品や惣菜は日常よく使われる多頻度品に限定する。元気のあるドラッグストアの店舗開発力とローコスト運営を吸収しながら、ドラッグストアにはない生鮮3品を扱うことで差別化を図る。郊外型店舗を展開するベイシアは売場1,800~3,000坪の大型スーパーセンター、750~900坪の中型スーパーマーケット、小型のベイシアマートの3業態でのドミナント化を図る方針だ。


今週の目次




今週の業界トピックス

2014年5月期本決算 大黒天物産、マルミヤストア、ドミー
ローソン 従来のネット宅配サービスを改善して「ローソンフレッシュ」始動
イズミ 熊本市内でSM4店展開する広栄の全株取得し子会社化
フジ 子会社フジマート四国がABC5店を譲受
サントリー 新社長に流通トップを招聘、4代続いた同族経営途切れる
ネスレ日本 自社の食品表示めぐり関係諸団体を脱会


今週の開店情報


関幸雄の流通コラム 流通戦略アドバイザー

高齢化社会に向けて1品完結型の弁当など少量買いのMDに力を入れるべき


SJ決算レポート(生協篇③)

3生協統合のコープみらいが3,500億円と売上トップ
 2013年度は全9生協が増収、増益5生協


SJ新店レポート

医薬品、ベーカリー、公共料金収納などワンストップ性を打ち出した650坪SM
 マックスバリュ鳴子店
調理時間短縮商品を充実し、ドラッグ併設した750坪SM
 ベイシアスーパーマーケット前橋川曲店
競合が少ないエリアにミニスーパーで出店、女性や高齢者に配慮した小容量商品が特徴
 マルエツプチ品川橋店


食品マーケティング

冷食、下期新商品の主流は両刀(弁当~食卓向け惣菜)
ベーシックな調理品でのバリエーション目立つ
 *マルハニチロ、新中華街シリーズでキャンペーン
 *アクリ事業部は9月から再興
コロッケのバリエーション続く(北から南から=メーカー)


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

あぶくま食品[早摘み桃] シンプルで上品なご馳走スイーツ
フードジャーナリスト 旭 利彦


今週の大店立地法公示速報


交差点

髙島屋ファームを見て



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