H2OリテイリングのSM会社、阪食は2020年に年商2,000億円の達成を目標に掲げる。現状からほぼ倍増させる急成長計画だ。その原動力となるのが、高質SMとして業態開発した「高質食品専門館」。既存店を含め43店舗(全体では73店)になり新店ごとに進化を重ねている。
京阪神を中心に店舗展開する阪急オアシスは高質スーパーマーケットを展開するSMチェーンとして有名だ。同社が次世代を見据えた店づくりと位置づける「高質食品専門館」もこのほど開店した宝塚中筋店で新規出店として20店舗目、既存店の改装と合わせると既に43店舗になる。全体が73店なので6割近くが新タイプの高質SMになっていることになる。
少子高齢化、1~2人世帯の増加、所得格差の拡大などで消費の多様化が進む中、スーパーマーケットに求められているものは、品揃えの幅と深さ、鮮度、安心、安全など多岐に亘ってきている。さらにスーパーマーケットの出店スピードは速く、商圏は狭まるばかりである。そのためか、300坪未満の中小型店の出店が急速に増えだしている。そうなると同業態だけでなく、コンビニ、ドラッグストアなど異業態との競争も視野に入れなくてはならなくなる。
従って、スーパーマーケットは規模の大小に関わらず、価格が勝負のコモデティ商品を含め、なるべく広い価格帯に対応した品揃えとアッパーな付加価値商品を売り込む提案力が求められている。いわば、狭まる商圏内の顧客すべてのニーズに応える小商圏高占拠型の店作りだ。
特に300坪未満の中小型店では規模のハンディがあるだけに、1人当りの売場面積は狭くなり、いかに人時生産性を上げていくかが課題になる。人を投入して売上を上げていくのか、人はなるべく少なくして、低い売上でも成り立つようにするのか。それでも競争力を維持できるのか。中小型店のジレンマである。
そうした中、阪食では高質食品専門館タイプでも300坪未満規模の開発に力を入れている。今年出店したこの規模の3店はいずれも計画比120%と言い、一定の成果を上げている。まさに次世代SMのあり方を示しているといえるのではないか。
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