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No.823-2015/02/02

今必要な新しいマーケット
特集 第49回スーパーマーケット・トレードショー

毎日の食生活を豊かにするために、こだわり品を売場で提案

No.823号

  「グロサリーについては、ベーシックからこだわり商品まで素材として楽しむ提案、調理して楽しむ提案を行う」と1月27日オープンの「ヤオコー南流山店」では打ち出す。同店のゴンドラではできるだけ販促物は抑え最上段のPOPは意図的にはずしている。商品の下や横に「バイヤーのおすすめ」「身体を大切に!減塩」の丸いPOPを掲げているだけだ。


こだわりも日常性が大事な要素


  一般的に<こだわり商品>とはグロサリーの商品を呼ぶことが多い。だから、MD(マーチャンダイジング)を考える上でグロサリーだけで走りがちになる。スーパーマーケットは生鮮食品が命と言われるほどだから、本来、グロサリーだけのMDはあり得ないとも言える。にもかかわらず―が売場でチグハグさを生んでいるのかもしれない。


  ヤオコーはこの原点に立って、8年前、こだわり商品の見直しを行った。それまで棚の最上段に並んでいた<高額商品>を篩にかけ、徹底的に精査して商品を再選択し売場を甦らせた。


  ヤオコーの見直しについての考えは「基礎調味料のMDの基は生鮮。消費者に生鮮の支持が得られた上で調味料がついてくる。生鮮のMDと連携しないで、グロサリーはグロサリーのMDだけで走ってしまっているのが現状。グロサリーの中でしか政策を考えずに、こだわりといってただ高級化に動いているからメインディッシュと遊離して売れない。極端に言えば、生鮮のグレードよりこだわりのグロサリーのグレードが上だからギャップがある。そのギャップをなくしていくことが課題」ということだった。


  そして、「こだわり・わけあり商品の比率は大きく見ても2割程度。残るメインの8割が基本商品なのに、基本商品の見直しをしないで上質化の方向に走っていた」ことを反省し、時間をかけて熟慮、再整備の結果を出した。


  売れなかった高額こだわり商品は消え、ヤオコーが選んだ〈新しいこだわり〉が売場に並んだ。「ヤオコーのこだわり」は最上段から棚の中段に移った。つまり、普通の女性客の目線に配置されたのだ。今もヤオコーのこだわり調味料は手に取りやすいところに置かれ、「日常、普段のこだわり商品」として並んでいる。


  時代は変わり、地方の疲弊が進む中で「地産地消から地産外商」へと〈こだわり商品〉の動きはますます大きくなっている。しかし、地方の生産者もここでしっかり考えなくてはいけない。「ただ高いだけの商品」では日常性がない。8年前のヤオコーの見直しを教訓にしなければならない。


今週の目次




流通羅針盤

食品の売上構成比60%でもドラッグストアの看板は下さない


今週の業界トピックス

イオン 365日利用可能な「ゆめみらい保育園」を幕張新都心店内に開園
日本アクセス 恒例の春季フードコンベンション2015を開催


SJ新店レポート

大型サークルを装飾に使った74坪のグロサリーショップを駅ビル食品売場で展開
 ザ・ガーデン自由が丘 新越谷店


新春トップインタビュー

独自電子マネー「CoGCa(コジカ)」を3か年計画で導入
 CGCグループ代表兼社長 堀内 淳弘 氏


特集 第49回スーパーマーケット・トレードショー

ブースに広がる新提案 三井食品のSM・トレードショー
 多様多層に対応できる機能と役割
 時代をリードするMDの創造と提案
今必要な新しいマーケット こだわり元祖 五味商店に聞く
 付加価値高いがリーズナブルな価格で新天地開く
 こだわり活動15年を総括「発想を変え顧客志向の再出発を図ろう」
輸入食品の現状を探る イタリアンフーズに聞く 変化と対応
 海外の食の歴史と文化を探り商品紹介の強化図る
 日本人の食に対する傾向をとらえ「和の中の洋」などMD対策を提案
銘柄の逸品〈やまと豚〉 フリーデンに聞く 創業55周年の戦略
 「語れる商品づくり」で差別化を率先
 精肉部の扱う冷食と惣菜の提案強化


激動の流通革命変遷史・30 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


チェーンストア・コンビニの12月度販売概況

気温低く、全体的に低調に推移
 年末商戦は大型連休の恩恵受け好調


企業動向

日本製粉、15年春夏新商品はドライ20品、冷食21品(上)


食品マーケティング

<惣菜>消費者ニーズ、変化が急進(スーパー)
マルハニチロ、タイム販売時へのスピード訴求
ニチレイフーズ、野菜に重点おいた各種惣菜


今週の大店立地法公示速報


交差点

新たな出会いに期待



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