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No.829-2015/03/16

災害対策特集

東日本大震災から4年、復興トラックが走る被災地

No.829号

  津波被害の大きかった、岩手県、宮城県、福島県などの沿岸部を中心にかさ上げ工事が急ピッチで進んでいる。本格的な住宅建設などはその後だが、道路は1日中、ダンプなどの工事関係車両がひっきりなしに行き交い、活気を呈している。本号では「災害に強い店作り」を特集した。


スピードの差が新たな格差に


  3.11の東日本大震災から丸4年。死者は15,891名を数え、未だ2,584名が行方不明と言われ、約23万人が避難生活を強いられている。復興はまだまだ道遠しである。復興庁調べによると、水道、下水道、鉄道、学校などはほぼ復興してきているが、漁港、農地などは5~7割程度。土地区画整理は造成に9割が着工しているが、完了はわずか2%。復興住宅も1割台、集団移転も3割に止まる。売上状況アンケートでは、震災直前の水準以上まで回復している企業は4割。建設業、運送業はやはり回復比率が高く復興景気を反映しているが、水産・食品加工業、小売業などは低い。生きていく糧となる産業が早く復興しないと、街や宅地は出来ても人はいないということになりかねない。


  宮城県女川町は若手主体に復興計画を進め、コンパクトシティ作りが成功例としてテレビなどで紹介されているが、復興計画の進み具合は自治体によって大分差がでてきているようだ。沿岸部での復興パターンは土地をかさ上げして新たな街づくりをし、土地を削って作った高台に住居を移転する。併せて復興住宅を作り、避難所生活から移るというシナリオ。


  しかし、ある市では「ようやくかさ上げの段階に入ったところで、復興住宅も最近始まったばかり。かさ上げが終わらないと工場も住宅も建てられない。補助金の申請が通っても建てられない業者がいっぱいいる。痺れを切らして山の方に建てている会社もあり、復興のスピードが遅れることによって失われるものは大きい」と指摘する人もいる。


  沿岸部は水産加工業者が多い。こちらでも大手の地元企業はすでに復興しているが、中小企業では復旧していないところも多い、他県にも工場を持っている企業は復帰してこないとか、スピードが遅い事によりこれまでの経営資源の毀損はさらに大きくなる。市町村による復興スピードの差は自治体リーダーのやり方の違いによるところが多いそうで、復興スピードによる地域間格差もまた広がりそうだ。


今週の目次




今週の業界トピックス

ファミリーマート ユニーGHDを吸収、コンビニは一本化
セミセルフレジ 人手不足が恒常化する中、導入SMが増える
セブン&アイ・ホールディングス 関西のSMチェーン万代と業務提携
JR東日本リテールネット 新型キオスク「マイクロ・コンビニ」開発
味の素 次期新社長に西井常務を抜擢
ネスレ日本 2015年の事業方針を発表


今週の開店情報


激動の流通革命変遷史・33 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


チェーンストアの災害に対応した店づくり特集(上)

ライフラインとしての役割を再認識
 セブン&アイ・HDの災害時の取り組み
 被災地に近いスーパーマーケットの設備担当者の思い入れ
 スーパーマーケットの災害対策の取り組み
  サミット/ヤオコー


SJ新店レポート

平日は就労者向けに営業、土日祝日は子供向けイベント開催
 いちやまマート山梨店
兵庫県に初出店。24時間営業の強み好発進、広い敷地を生かしNSCに
 ハローズ夢前台店
惣菜量り売りなど新MDを意欲的に取り込んだアップグレードアークス
 道南ラルズ スーパーアークス大縄店


売場活性のヒント満載 国分49回SM・トレードショー

2015年の消費動向捉えた独自分析で
「情報・機能・商品」を連動づけた提案


食品マーケティング

「機能性表示食品制度」いよいよスタート(4月)
 *健康へ、減塩食品などより推進の動き
マルハニチロ「ロングライフチルド食品」発売へ
 *4月から関東、東北方面でスタート


今週の大店立地法公示速報


交差点

災害は小さな取組みでも防げる



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