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No.832-2015/04/13

「トップストア」が生まれた背景には「類のない企業づくり」があった

No.832号

  お昼のピークを過ぎた時間帯に写した惣菜売場の写真―まだ、お客の入りはいいが、よく見ると商品はほとんど売り切れ状態。作る端から売れるので、こんな場面がずっと続く。広島市郊外に半年前にオープンした「鮮Do!(せんど)エブリイ海田店」。去年開店した店舗の中で最も高い評価を得たトップストアだ。取材するうちに、見えてきたものは…。


人材育成がパワーの源


  2014年10月7日、広島市郊外の安芸郡海田(かいた)町の瀬野川沿いにオープンした。大手自動車部品メーカー・ユーシンの工場跡地に建てられたもので、売場面積は1,213㎡、駐車場は207台備えている。


  敷地内はドラッグストアや100円均一ショップも入るモールになっていて、エブリイはその核店舗という位置付けだ。郊外立地で2km圏の人口は2万5,000人ほど。一見、何の変哲もないスーパーのようだが、これで年商目標は26億円。計画通りクリアできる見通しというから、やはり驚きだ。


  トータルのアイテム数は7,200SKUと同規模店と比べても少ない。商品がギッシリというわけでもなく、売り切れて欠品しているところもある。写真のように入荷予定時刻を示したり、シケだと境港直送の紅ズワイガニは「本日 水揚げありません」と書いてある。「理由が明確」だから、お客は待ってでも買いたくなるというわけだ。


  取材の際にもらった会社案内などのパンフレット。改行なしで細かい字が書き連ねられているが、その中身は濃い。「鮮度を軸に差別化路線を歩む」とある。ここまでは、他社と変わらないが、超鮮度の商品を届ける仕組みが確立していること。トップ自らが人間塾や経営塾を主宰し、有名精神科医・名越康文氏と考案したユニークな「類人猿診断」を通して、生き生きした人材を育て上げている―のがパワーの源だ。


  エブリイは昨年9月、外食や宅配事業、農業法人、人材教育事業など8社で食の総合プロデュース企業を目指すエブリイホーミイホールディングス(HD)を設立した。4年後にはグループで1,000億円の売り上げを目指す。「誰も見たことがない日本に類のない企業」(岡﨑雅廣・同HD社長)の実現が楽しみになってきた。(次号に「鮮Do! エブリイ海田店」の新店レポートを掲載)


今週の目次




今週の業界トピックス

日本FC協会 「経済・社会的役割としてのコンビニエンスストア宣言」
JR東日本リテールネット
 カフェ機能付加しカウンター席併設した駅ナカコンビニの新業態
トーホー 食品スーパー事業が黒字へと転換
日本ガラスびん協会 最優秀賞は「ヌーベル月桂冠 純米吟醸」
ユニフルーティージャパン 3本2,000円の高額バナナを限定販売
カルビー 円筒形の成型ポテトチップス分野に進出し年商100億円目指す
サッポロビール 7月以降1,500円以上のファインワインの販売強化


今週の開店情報


SJ新店レポート

ピザ専用オーブン、自家製干物、公共料金収納代行など初導入
 サミットストア東中野店
SSMフルラインにおかずビストロなど新MD加えた500坪店舗
 いなげや横浜南本宿店
平和堂、京都府宇治市にドミナント出店。バス車庫跡地に和風のFM店舖
 平和堂 フレンドマート宇治菟道店


多部門で好調に推移 大塚食品 こだわり戦略を強化

ボンカレー、マイサイズが好調推移
マンナンヒカリ 健康訴求で新商品
 炭酸飲料マッチ 家庭内ニーズに1.5L発売


ハマさんのコーヒーブレーク・126 コラムニスト 浜本經道

新卒採用は売り手市場


企業動向

雪印メグミルク、千趣会系の主婦の友ダイレクトと資本業務提携


食品マーケティング

イタリア料理展示会の富山での開催
 *北陸新幹線開業に合わせた観光客増加へのアピール
「ご当地のおいしさ」訴求商品の開発続く
 *マルちゃん「ニッポンのうまいラーメン」(静岡~博多)
業務スーパー金町店(東京葛飾区)シマダヤが5店舗目
 *4月、値上げ品多く、いかに値頃感を訴求するか課題


今週の大店立地法公示速報


交差点

本体価格表示へ変更の動き



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