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No.836-2015/05/18

“初めの一歩”は「顔が見える野菜」。安心・安全「3つの取り組み」

No.836号

  「地産地消」は全国どこのスーパーに行っても、取り組んでいることで、格段珍しいことではなくなってきたが、ここの青果の陳列棚は少し違う。岡山県西部の浅口市に4月24日改装オープンした天満屋ストア鴨方店。イトーヨーカ堂との資本・業務提携の“初めの一歩”が「顔が見える野菜」~安心・安全の「3つの取り組み」という形で、品目はわずかだが、顔を見せている。


商品に加え、人材交流も


  「3つの取り組み」は安心・安全を届けるための「商品検査」「資材調査」「土壌検査」を意味する。これとは別に「5つの約束」も。①国産の農産物に限定②選ばれた生産者③農薬や放射性物質をチェック④こだわりのおいしさ⑤生産者の名前で出荷――という取り組みだ。地元野菜には不自由しない天満屋ストアだが、全国規模の商品供給はありがたい。


  「天満屋ハピータウン鴨方店」は1990年11月の開店以来、岡山県西部のGMS店舗として地域に親しまれてきた。今回は1階SMフロアの冷陳ケースを「静振・省電力タイプ」のものに一新、照明もLEDに切り替えた。百貨店に足を運びにくくなった高齢者対策として親会社・天満屋のサテライトショップ「天満屋鴨方ショップ」も初めて導入した。


  一方で、天満屋ストアは岡山市中心部にあるイトーヨーカドー岡山店に地元商品の売れ筋約500品目を紹介している。イトーヨーカ堂は大阪・北浜に西日本事業部を構え、井上英二・同事業部商品が天満屋ストアの社外取締役にも就任するなど、人材面での交流も緒に就いた。


  ラ・ムーでおなじみの大黒天物産、岡山県に本拠を移し、24時間営業で東上作戦を繰り広げるハローズ、福山出身で岡山へも出店拡大している「超鮮Do!」のエブリイ、JR岡山駅前に巨大店舗を展開するイオンとその傘下のマックスバリュ、鴨方駅前でも店舗を展開する山陽マルナカ――これだけのユニーク企業がひしめく地域も珍しい。


  「本格的な“西下作戦”を開始したイトーヨーカ堂。一筋縄では勝てない競合相手に天満屋ストアは、どのような商品供給を受け、踏ん張って戦うのか、これから先の展開が面白くなってきた。


今週の目次




今週の業界トピックス

オークワ 岐阜県安八町に新惣菜工場を建設計画、東海エリアに供給
全日食チェーン・全国Aコープ協同機構 9月から共同で大手食品メーカー19社との販促キャンペーン開始
エフピコ 生鮮素材を使用したレンジアップ商品に注目
AGF 世界遺産の上賀茂神社式年遷宮事業に協賛活動
味の素 増収大幅増益、次期も業績更新見込む


今週の開店情報


SJ決算レポート(SM篇)

7割が増収、年商800億円を境に明暗分ける
 消費増税の影響少なく、経常利益率は2.3%に若干改善


ハマさんのコーヒーブレーク・127 コラムニスト 浜本經道

集客力の決め手は鮮度


SJ新店レポート

年商50億円を目指す広域商圏型旗艦店、限定商品約200品など“ここだけ”のMD展開
 ヤオコーららぽーと富士見店
茨城県の冷凍野菜コーナーを地場野菜売場内に初導入
 ヨークベニマルひたち野うしく店
奈良県中部の幹線道路沿いに出店、広域の集客には、インター開通期待
 スーパーセンター オークワ田原本インター店


フリーデン創業55周年 特別インタビュー

常務取締役  小俣 勝彦 氏に聞く
多頭肥育で豚肉流通の近代化に貢献
フリーデン やまと豚の存在感高める


食品マーケティング

冷食、2014年国内生産量99.1%(前期比)
 家庭用減はEDLPの適量買いへの転換目立つ
大手卸、三菱食品、決算で営業利益前年比減
 *惣菜向けなど好調、酒類は縮小傾向
伊藤忠食品はビール減も和洋酒は微増


激動の流通革命変遷史・36 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


今週の大店立地法公示速報


交差点

豊洲、新市場への明暗



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