≫ウィンドウを閉じる


No.837-2015/05/25

売場から見せる生鮮・惣菜の厨房としたクイーンズ伊勢丹笹塚店

No.837号

  1978年から営業してきた「クイーンズ伊勢丹笹塚店」が5月15日にリモデルし、新しいスーパーマーケットスタイルを提案する。生鮮、ベーカリー、惣菜では売場と作業場の境目なくしてオープンにし、客との対面接客を重視した。売場から見せるキッチンにして、ライブ感と清潔感を演出する。


対面の接客を重視するSM


  「目指しているのはフード&ライフ」と強調する三越伊勢丹フードサービスの内田貴之社長。「食を通じて『豊かなライフスタイル』、ひいては『豊かな人生』を、お客様に提供したいと考えるスペシャリティストア」を5月15日(金)にリモデルオープンした「クイーンズ伊勢丹笹塚店」ではコンセプトに打ち出した。


  百貨店の三越伊勢丹グループとして、他のSMにはない接客サービスを行う。売場にいる販売員はスタイリストとして客とのコミュニケーションを重視。接客を最大限に活かすため、売場から見せる厨房を演出する。特に「売り方と見せ方」に配慮。このため作業場は2重構造として、売場から見える部分は清潔にして産地情報などのパネルも掲げる。一方、作業場の壁の裏側にはパッケージや冷蔵庫を配置。見せる所と見せない部分を徹底した売場を明確にした。


  笹塚店は2014年4月に改装した「クイーンズ伊勢丹石神井公園店」に続く2店目のリモデル。客との距離を石神井公園店よりもっと近づけるため、生鮮やベーカリー、惣菜の壁面の各作業場をオープンキッチン化した。石神井公園店をさらに進化させた試みを実践する。改装工事のため1ヵ月半営業を休止し、改装投資に新店並みの約5億円をかけた。地下1階の売場に降りると、彩り豊かなフルーツを陳列し、その周りに直営インストアベーカリーにクイーンズピザ、30席あるイートインコーナー、トマトやアボカドなどを使用した新感覚ソフトクリームの対面販売コーナーを配置する。「少しでも長く店にいて欲しい」(内田社長)という願いから売場の通路も広く採った。


  同社はPB「グリーンQ」の見直しも現在検討中だ。三越伊勢丹グループのSM企業として、もっと消費者に分かり易い名称に変更する可能性が高い。


今週の目次




流通羅針盤

オムニチャネル推進に向け、小売各社が本格的準備始める


今週の業界トピックス

ヤオコー 首都圏ドーナツエリアで売上高5,000億円を目指すステップに
ローソン&NTTドコモ NTTドコモのポイントとポンタを相互交換
マックスバリュ 中部はM&Aで2020年度に1,000億円の増収計画
オークワ DSの競合に晒され客数減で、既存店売上5.5%減
西友 CEOに上垣内猛SVPが就任
コンビニ7社総店数5万店突破


ケーススタディ 商圏特性と競合各店のMD対応を見る②

各線乗り入れ交通至便の通勤単身者の多い商圏
高層マンションが林立し駅前周辺が賑わう神奈川・武蔵小杉地区


SJ新店レポート

山手線内側を商圏にした倉庫型ネットスーパー、リアル店舗と同じサービスのダークストア
 セブン&アイHD ネットスーパー西日暮里店
駅前ロータリー新設に先行、商業ビル1階に「小型高質食品専門館」
 阪急オアシス 千里山店
牛タンローストやイチボの新ローストビーフを名物商品として販売
 ヤオコー川越西口店


激動の流通革命変遷史・37 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


新商品で売場活性

モランボン バーニャカウダを発売
三井食品 エキストラバージンオリーブオイル


業界動向

明治、ブランド力発揮し記録的な2ケタ増収上げる
森乳と雪印はコスト負担などの重しが凌げず減益


食品マーケティング

冷食、家庭用に多様化するパスタ
 *日清フーズ、生パスタ~青の洞窟までラインアップ強化
東洋水産、チルド麺「焼そば」にカレー味(夏限定発売)


今週の大店立地法公示速報


交差点

高齢層が阻んだ都構想



≫ウィンドウを閉じる