青果と鮮魚の市場がスーパーマーケットを包み込むようなレイアウトになった新しい業態の店舗「新鮮市場きむら」が出店を加速している。香川県高松市に本社・本店を置く「きむら」が香川・岡山県下で15店舗を展開するもので、倉敷市内では3店目になる玉島店を7月1日に開店した。自ら魚市場を経営し、プロの飲食業の顧客も多い。そのユニークな経営手法に迫る。
土木業出身の木村宏雄社長が妻の実家の食品小売店を引き継ぐ形で創業した。1982年(昭和57年)、コンビニに書店を併設したスタイルの店舗を開店、注目を集めるが同年、業態を生鮮3品中心のスーパーに変更、現在の屋号に改めた。これが、チェーン展開する礎となった。
当時の高松の流通地図は、圧倒的なシェアで拡大を続けるマルナカの存在抜きには語れない。イオンの傘下に入ったが、2,000億企業が生み出す「価格差」は、特にグロサリーでは、全く歯が立たなかった。
そこで“門外漢”の木村社長は青果と鮮魚、精肉の生鮮3部門に目を付け、ここの土俵での勝負に転換することを決意した。どれも素人だったから、肉の卸店や地元のスーパーに弟子入りして知識を身に付けた。この間、調理師免許まで取得した熱意は並みではない。
この努力が実を結び、地元の漁師が漁で水揚げした魚を全量買い上げる志度魚市を運営、魚市場形態で販売する手法を確立した。チェーン展開した後も、店舗の担当者が直接買い付ける方式は変わらない。
市場、きむら、消費者の「三方善し」経営が軌道に乗った今、「ここが地合い」と年に2~3店の出店を続けている。やはり底力があるマルナカ、24時間営業のハローズ、超鮮Do!のエブリイ、それにマックスバリュ西日本―各社生き残りの策を引っさげて、瀬戸内の流通は熱く燃える。
人口の減少、顧客の高齢化、圧倒的な大手チェーンのバイイングパワー、それにネットショッピングの台頭。多くの中小スーパーにとって、経営のヒントになることは間違いないところだ。
(6~9頁に「新鮮市場きむら玉島店」の新店レポートを掲載)
SM3団体統計発表&かましん
売上規模ではなく、地域1番店をどれだけ持てるかが肝
大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史
コンクリート打ちっ放しの魚市場を再現したSM店 新倉敷に出店
新鮮市場きむら玉島店
43年営業の旧店舗を全面改修、ミニGMSとしてリニューアルオープン
ユニー ピアゴ守山店
相場高が続き食品は好調を維持
梅雨の影響などから季節商材は苦戦
全国572生協の総事業高は0.3%減の3.3兆円
隣接県の生協が合併し巨大化が進む
45年の実績にさらなる商品力を強化
社会貢献に向け情緒産業の充実図る
SMにインパクト「まだまだ伸びるこの商品」の提案
「今こそ強化すべき健康・介護食品」の強調もスーパーの学ぶべき点
「冷蔵サポートセンター」を出展 ~キッザニア甲子園「パビリオン」~
横山AGF社長、海外は東南ア3国など方針発表
「業務用・冷食」スーパー、CVS惣菜への対応
*マルハニチロ、多様化するニーズに一味違い訴求(ごちそう厨房など)
*日東ベスト・ローストンカツのバリエーション
高まる「健康」食材
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