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No.850-2015/08/31

SJ850号突破記念特集(上)

「棚の上のワインがよく売れる」コープこうべ苦楽園店の“劇的変化”

No.850号

  閑静な住宅街のマンションの1階にある店舗が生まれ変わった。チーズを中心とした売場も趣を一新、棚の上やケースにワインやスパークリング類を200本ほど並べた。普通は「お飾り物」でしかない酒類だが、補充に追われるほど売れている。7月半ばに大改装オープンした兵庫県西宮市の「コープこうべ苦楽園店」は、こうした話題満載の店舗だ。


家飲みに「ピッタリ」と…


  大阪と神戸の中間地点にある兵庫県西宮市。通称「阪神間」と言われる地域だが、阪急神戸本線より北側は、古くから閑静な住宅街として発展してきた。特に阪急夙川駅から北に延びる甲陽線は隣接する芦屋と並んで「高級」の冠が付く。


  コープこうべ苦楽園店は、甲陽線苦楽園口駅から西へ1km。村上春樹の小説に出て来る空気感があたりに漂っている。苦楽園店は「コープさん」の愛称で親しまれてきたが、開店して16年目を迎えるのを機に、3週間休んで改装した。


  「来店するお客は、どんな人たちなのか?」―137台ある駐車場の車種を見ても、その“富裕ぶり”が見てとれる。統計では平均年収700万以上の層が多いが、実際はそれ以上の「粒のそろった客層」がメインターゲットの店舗だ。競合店は高級スーパー「いかり」の芦屋店。


  今回は、老朽化した店舗の冷凍・冷蔵ケースを一新すると同時に、床や天井を張り替え、照明をLEDに替えるなどの設備面を一新した。同時に店舗デザインは中小スーパーの活性化では実績のある西川隆氏が代表を務めるプログレスデザインに依頼した。


  改装効果は早くも現れた。1,000円から3,000円までの輸入ワインを中心に充実させた通常売場とは別に、チーズ売場でも棚の上やケースにもダブル陳列した。こうした酒類が開店2日で360本も売れ、補充に追われている。


  「ギフトではなく、普段の食事に合った家飲みワイン」が地域の男性客のニーズをとらえた。だが。隣の甲陽園駅前では、阪急オアシス甲陽園店(仮称)の新築工事が急ピッチで進み、11月末にもオープンする運びだ。秋以降、高級志向の各社の戦いが見ものだ。


今週の目次




今週の業界トピックス

 楽天 「楽びん!」サービス開始 食品や日用品など450点を注文、配送
 ファミリーマート 地域ごとの嗜好に合わせた、おでん“つゆ”開発で売上拡大


今週の開店情報

850号突破記念特集|インタビュー
既存店売上が3巡目でもプラスを継続
 マルエツ 取締役常務執行役員商品本部長 池野 賢司 氏
デリカでもこだわり志向の商品開発目指す
 いなげや 執行役員商品本部副本部長兼グロサリー商品部長 小室 勝也 氏
独自のスーパーマーケット路線追求、常に顧客を飽きさせない売場を意識
 京北スーパー 代表取締役社長 下西 琢也 氏
JA全農と業務提携し、9月から共同仕入れを開始
 全日本食品 代表取締役社長 平野 実 氏
今、新しい道を拓くとき 寺谷健治 五味商店社長に聞く
 いい商品の価値が伝え切れていない
 こだわりの危機と好機を分析しよう
生産者直売所+SMの新業態店舗開発に力を注ぐ
 JA全農 生活関連事業部 生活リテール部 部長 高崎 淳 氏


食品マーケティング

最先端ニーズへの対応、常温加工品の奮起
 *マルハニチロ、レトルト、「金のどんぶり 中華丼」など
 *フジッコ、「おかず畑」シリーズのリニューアルへ


企業動向

昭和産業、来年9月竣工で研究・商品開発の新施設建設


SJ新店レポート

農産物直売所とSMの複合店、前橋市の中心市街地に開発
 JAファーマーズ朝日町
130坪の直売所と500坪SMを一体化したAコープの新業態店。イートインも設置
 JAファーマーズ野田宿


ケーススタディ 商圏特性と競合各店のMD対応を見る⑤

新旧入れ替えが進む大型住宅団地立地
 50年近い変遷の中で高齢化進む神奈川・相武台地区


今週の大店立地法公示速報


交差点

暑気払い? ウナギ「蒲焼」は今



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