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No.852-2015/09/14

ダイエー創業の地・神戸に新業態「フードスタイルストア」が誕生

No.852号

  港神戸の中心街・三宮。JR三ノ宮駅の東にあるダイエーが「神戸三宮店」と名を変え、8月27日改装オープンした。地下2階から1階までを食品フロアとし、主にヘルス&ビューティ売場だった1階は本場ヨーロッパのナチュラルチーズとワインを取り揃えたスペースに生まれ変わった。「神戸の街とのつながりを大切にしたい」と50年以上歩んできた創業の地が新業態「フードスタイルストア」の近畿地区1号店に選ばれた。


新たな顧客層を開拓する


  旧ダイエー三宮駅前店は、阪神大震災があった直後の1995年4月にプランタン神戸本館を改装オープンしたものだ。ダイエー村とも言われた神戸。創業者の中内氏が甚大な被害を受けた店舗で、鬼のような形相をして、陣頭指揮を執った場所でもある。


  イオンの完全子会社となった同社は、首都圏と近畿圏に絞ったエリアで、食品スーパーに特化させる事業展開を行う。フードスタイルストアの実験店は2014年11月に「いちかわコルトンプラザ店」(千葉県)、今年6月に赤羽店(東京)がオープンしたばかり。


  神戸三宮店はターミナル立地を生かし、これまで手薄だった30~40歳代の働く女性や単身者をより意識した売場づくりになっている。中でも、食品フロアにチェンジした1階は、130品目のヨーロッパのナチュラルチーズや、650種類のワインを取り揃えた、「フードスタイルフロア」をメインに変身した。


  ワインはその場で飲むこともできる。各階にイートインスペースを設けるなど、従来とは違った売場構成を心掛けた。また、植物由来の食品や化粧品を揃えた直営の「ボタニカルショップ」をはじめ、ジュースバーも併設、新たな顧客層に向けて熱い視線を送る。


  開店セレモニーの後、記者会見した近澤靖英社長は「食品以外の人材はかなり流出したが、食品の力を発揮できる創業時からの人材は健在だ。トップバリュにも30人程度出向して成功を収めている」と語った。


  また、「この10年、教育費に投資をしていなかった。サンドイッチの提供方法などは日本より進んでいる香港のシティスーパーで研修を受けた。肉のダイエーの力はまだ捨てたものではない。総合食品小売業で国内No.1を目指したい」と決意を新たにした。


今週の目次




今週の業界トピックス

イズミ ユアーズの第三者割当増資45億円引き受け連結子会社に
ダイエー 店舗移管に伴い7,300名が出向・転籍
イオンリテール 地域カンパニーにさらに500名をシフト
ファミリーマート 中堅コンビニ、ココストア買収
AJS 秋季展示会開催 各社バイヤー700名参加
ミニストップ ベルギーチョコをふんだんに使ったソフトとプリンパフェ
雪印メグミルク 栗原はるみシリーズ発売10周年で秋向け新商品
JR各社のCVS・キヨスクの現状


鉄道系スーパー各社の2015年3月期決算

鉄道とのシナジー強化。沿線展開の利点を活用
 駅売店はコンビニ化。小型店開発もスタート


SJ新店レポート

「こんなところにスーパーが…」と驚く立地。定着しつつある認知度
 阪急オアシス 晴明通店
30~45歳夫婦に子供2人の若い家族の多い商圏で地場商品を強化
 マックスバリュ沼ノ端店
地下売場の柱周りに、装飾に凝った農家直送コーナーを展開
 サミットストア小岩駅南口店


全国に日本酒愛好の輪 10月1日は〈日本酒の日〉

明治記念館から「国酒」伝承高らかに


機能性表示食品へ 大塚製薬2商品をリニューアル

「大麦生活」と「ネイチャーメイド」


多彩な秋の新商品 オエノングループの合同酒精

ニーズ対応に容量などできめ細かく


食品マーケティング

*日清フーズ、冷食パスタに高付加価値商品強化
 下期、生パスタ、メニューの多様化へ
*東洋水産、ミニパック鍋つゆ4種発売へ


激動の流通革命変遷史・44 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


今週の大店立地法公示速報


交差点

漬物焼そばが広島でヒット



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