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No.853-2015/09/21

進化続けるSMのイートインカフェ、ジュースバーも登場

No.853号

  スーパーマーケットの休憩コーナーをカフェ(喫茶店)化する動きが強まっている中、いなげやでは9月11日、神奈川県川崎市に開店した新ゆりヨネッティー王禅寺前店でイートインと隣接したカウンターにフレッシュジュースのバーを設けた。新規の試みだ。


カフェからレストランへ


  SMのイートインを単なる休憩所ではなく、店内で購入した商品を食して帰る場にする、「レストラン」化を標榜する企業が出てきている。


  「イートインはカフェスタイルになってきているが、食事が明確に意識できる商品を増やしてレストランをイメージできるものに徐々に変えていく」と、いなげやの成瀬直人社長は話す。


  同社の新ゆりヨネッティー王禅寺前店では、60席のイートインに隣接するベーカリーのレジカウンターに93円(本体)の淹れ立てコーヒーに加え、生ジュースバーを設置。100円のバナナジュースが楽しめる。さらに、デリカゾーンで、焼いたグラタンなどのおかずビストロ(バイキング、198円)に、好きなデリカを選べる「チョイスデリ」(100g168円)、クラムチャウダーなどのスープバー(小148円)、などの新MDを新たに導入。いずれも買ってすぐ食べられる商品ばかりだ。早速、開店日には「ここで買って、昼はここで済まそう」と会話する2人連れのお客の姿が見られた。


  同社の川崎登戸店は80席ものイートインが話題になったが「間違いなくベーカリーの売上を押し上げている。目黒八雲店は売場175坪、席数10席だが、ベーカリーの売上構成比は突出していて、客単価増に貢献している。手応えを感じる」と成瀬社長も自信を深める。


  さえきセルバホールディングスのフーズマーケットホックも同様の戦略を進めていて、島根県安来市のプラーナ店では40席のイートインでケーキ、スムージー、コッペパン、かき氷などを提供している。パンとゆで卵、ドリンクのモーニングセットもあって、朝、新聞を片手に喫茶店感覚で利用するお客や、毎日来て井戸端会議を楽しんでいるお客も多いという。特に地方では喫茶店はおろかファミレスもないところも多く、SMにこうした機能が求められるのも肯けるところ。SMが外食をも補完し始めたようだ。


今週の目次




流通羅針盤

ネットスーパーの精度向上に各社多様な形態で臨む


今週の業界トピックス

イオンモール イオンモール四條畷、10月23日に開業
JR東日本都市開発 駅直結SC「ビーンズ新杉田」改装


今週の開店情報


激動の流通革命変遷史・45 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


SJ決算レポート(生協篇③)

コープみらいは個配が伸び3,587億円と売上トップ
 2014年度は5生協が増収、経常増益は7生協


SJ新店レポート

入口付近にヨーグルト配置、健康食品もコーナー化
 ヨークベニマル栃木平柳店
肥沃なマーケットにドミナント出店。トロイカ体制でシェア拡大を図る
 ヤオコー検見川浜店
2層の1階に生鮮4品を配置してSM色強く出した小型店
 マルエツプチ鮫洲駅東口店


スーパー60年 今こそ〈生・販〉ともに発想の転換を

考え方を変えなければ商品も売場も変わらない!!
 消費者の豊かな生活を担うためにスーパーマーケットは再考のとき


スムージー・ティー・プリン 森永乳業が新商品発売

次々と新商品発売で売場活性に寄与


企業動向

伊藤園、主力飲料も復調し通期売上高は過去最高


食品マーケティング

安定成長の惣菜CVS.、SMの伸び目立つ
 *デパ地下は2年連続前年比減少=日本惣菜協会=
 *SMはミニパック惣菜の拡充が人気 
東洋水産「秋冬向け‘北の味わい’ラーメン」リニューアル発売
 *ガラ炊き醤油~味噌など5品目


今週の大店立地法公示速報


交差点

博多の「NYスタイル」店



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