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No.856-2015/10/12

ビジュアルMDを駆使した創造的な売場が急増

No.856号

  視覚的な演出効果を期待したビジュアルマーチャンダイジング(VMD)を導入するスーパーマーケットが増えてきている。客にとって「見やすく、選びやすく、買いやすい」売場を総合的に目指した店づくりを各社が模索し始め、買物が楽しくなる仕掛けに取り組む企業が幾つも全国各地で登場している。


視覚的な演出効果を売場に導入


  とりせんが8月5日、茨城県古河市に出店した「とりせん小堤店」は、店舗の内装及び外装を一新した新コンセプトの1号店。お客様との「信頼感の醸成」をコンセプトとして、売場の主通路の天井には3つの巨大なサークルを吊り下げ、壁面の上部には波型の模様に電飾を設置して「つながり」を強調する。同社は今年12月上旬に、小堤店をさらに進化させた、群馬県高崎市の「とりせん群馬町店」を建て替えオープンする予定で、今までの同社とは違うレイアウトと売場を追求する模様だ。


  9月25日、群馬県・榛東村にオープンした「フレッセイ榛東新井店」はフレッセイとして初めてスケルトンの天井を採用し、酒売場の天井から巨大なサークルを吊り下げて、アルファベッドで「WINE&LIQUOR」と入れている。吹き抜け天井とすることで天井高が5m近くになり、開放的な売場に。榛東新井店は山間部の高所にあり、夏でも比較的涼しい。湿気による売場の天井のカビ防止にもなるとしてスケルトン天井を導入した。10月下旬にオープンする「フレッセイ沼田恩田店」でも同じ内・外装を取り入れる予定。


  天井から巨大なサークルを吊り下げた売場を展開している企業は、シェルガーデンがあり、「ザ・ガーデン自由が丘」の最近の新店や改装店に入っている。この他にもヤオコーやライフコーポレーションの一部の店でも導入している。いずれも売場内でインパクトを与えていることは間違いない。


  首都圏で「クイーンズ伊勢丹」を19店展開している三越伊勢丹フードサービスは今年5月15日に全面改装した笹塚店で「演出厨房」と名付けて、売場から見せる厨房システムを導入した。惣菜や精肉、鮮魚のキッチンを二重構造として、売場から見える厨房と見えない厨房を取り入れた。「見せる厨房」(ライブ厨房とも言う)に関しては、ヤオコーやサミット、いなげや、ライフ、阪食、小田急商事など、様々な小売企業が今、積極的に展開しており、今後も増えてくる可能性が高い。


今週の目次




流通羅針盤

GMSに明日はあるのか、イオンの奮起に期待


今週の業界トピックス

ユニーグループHD 第2四半期決算で6期ぶりに赤字を計上
ファミリーマート 中食の抜本的な改革が実を結び、業績が好転
雪印メグミルク 「恵」ブランドで大型プレキャン実施


SJ新店・改装店レポート

悲願の宮崎市出店、地下店舗で実現、精肉売場に意気込み
 HEARTYながやま ボンベルタ橘店
都心の高級住宅地に初出店、驚安感、猥雑感に高級感をミックス
 プラチナ ドン・キホーテ白金台店
おかずバイキング新設し、即食簡便商品を強化
 コープ浦和東店


今週の開店情報


大塚製薬の2015戦略 ニュートラシューティカルズ順調に推移

積極的&着実な商品開発と営業活動
医薬と機能性食品事業の両輪が強み


山型食パン「超熟 国産小麦」 敷島製パンのこだわり戦略

顧客の要望に応え4枚スライス発売
<ゆめちから>のモッチリ感の強調へ


食品マーケティング

マルちゃん「正麺」にカップ麺登場(東洋水産)
 *10月5日から全国発売、同時にテレビCM放映
ケイエス冷食
 *「鶏つくね串」出荷好調「肉だんご」を上回る
 *ただ全般に新商品の成長が多難


今週の大店立地法公示速報


交差点

客に優しく自分に厳しく



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