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No.857-2015/10/19

会話がはずむ、京都の町ナカにオープンした「イズミヤ」の小型店

No.857号

  「もうちょっと、重たいのはないの?」「これなんか、どうですか?」「オン(オス)ばっかりやね」――写真は10月8日に京都の町ナカにオープンしたデイリーカナートイズミヤ千本中立売(なかたちうり)店の鮮魚売場で見かけた光景だ。3バイ1,000円のワタリガニを買う初老の婦人と会話する鮮魚の担当者。地名の由来となった「中立売」を思い起こさせる場面が再現されたようだった。


気さくな会話が何より


  「世界で一番訪れたい都市ランキング」で2年連続世界1位に選ばれた「京都」。本格的な秋の観光シーズンを迎え、連日大勢の外国人観光客で賑わっている。イズミヤが出店した上京区東石橋町周辺も西陣織で有名な地域だ。


  京都市北部では4店目。今年2月にオープンした千本北大路店、嵐電の駅舎に隣接した古参の白梅町店、それに旗艦店の堀川丸太町店のほぼ中間点に今回出店した。


  売場面積は697㎡(211坪)と随分小粒だ。バックヤードはほとんどを2階に上げた。町家が建て込んでいる同店周辺は昔から商業が盛んな地域で、昔から店を構えず、立ち売りで商売をしていたことが「中立売通」の名に残っている。


  その時代、お客は立ち売りの小売商相手に買い物をしていた。気のせいだろうか、売場のあちこちで従業員に気さくに話しかける人が多いように思った。「安い、高い」が話題の中心になる大阪とも違う、京都ならではの光景だ。


  昨年、世界文化遺産に登録された「和食」は、京料理がルーツになっている。そのため、九条ネギ、塩サバ、おあげさん(油揚げ)、お芋さんのたいたん(芋の煮物)などが、売場に並ぶ。


  道を隔てた西側に7台分、契約駐車場を設けたが、徒歩や自転車、あるいはバイクで来店する人が圧倒的に多い。商圏内の単身者は53%。多くは高齢者だが、24時までの開店で、若い人たちの「コンビニ使い」にも期待する。


  年商は10.6億円を予定している。狭い地域に人口が張り付いている京都ならではの数字だが、古い「町ナカ」に入り込むには、気さくな会話が何より欠かせないことを、売場から感じた。


今週の目次




今週の業界トピックス

西友 ネットスーパー「SEIYU ドッドコム」に新サービス
イオン おせちの洋風化を進め、若い世代のニーズに対応


SJ中間決算レポート(GMS篇)

イオンリテールとイトーヨーカ堂が営業赤字
 衣料品と住居関連品の売上不振が影響


今週の開店情報


SJ新店レポート

1kmの自社競合をものともせず、大型SMを出店した“心意気”
 大阪屋ショップ城川原店
洋風をテーマにサラダバイキングなど新MDを積極導入した最新店舗
 いなげや新ゆりヨネッティー王禅寺前店
イートイン併設でセルフカフェ設置、ドーナツや大福も98円で関連販売
 ベイシアスーパーマーケット鳩山店


ヨーグルト&乳飲料 明治の市場活性化戦略

プロビオヨーグルトの生産能力増強


独自商品の開発 日本緑茶センターと森永乳業

日本緑茶センター 「バーレーカップ」
森永乳業 ハンディフレッシュパウチ


激動の流通革命変遷史・47 小澤信夫

大衆消費社会実現のために、流通革命は今から始まる
 日本の小売業・スーパーマーケット発展の歴史


業界動向

 日清オイリオ、ココナッツオイルギフトに他社コラボギフトも充実(上)


食品マーケティング

ロングライフチルドに「パエリア」11月から発売(関東~東北)
 *冷蔵で賞味期限45日訴求(マルハニチロ)
ヤヨイサンフーズ(マルハニチロ・グループ)はフロチルでグラタン
 *惣菜売場で別売り(3尺冷蔵ケース等設置)


今週の大店立地法公示速報


交差点

新カテゴリーへの期待!



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