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No.858-2015/10/26

No.858号

  10月15日午後7時から、ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスの経営統合に向けた基本合意締結に関する緊急記者会見が都内のホテルで行われた。両社が合併し持株会社化すると同時に、ファミリーマートとサークルKサンクスも統合する。来年4月までに契約を締結して9月にスタートする


M&A加速する流通業界


  今年3月10日にファミリーマートとユニーグループ・ホールディングス(以下はユニーGHD)は、経営統合に向けた協議を開始すると発表したが、10月15日に行われた両社取締役会で対等の精神に則り、来年9月に経営統合することを決議し、基本合意書を締結した。合併比率はユニーGHD1株に対しファミリーマート0.138株。両社合併に際し持株会社化する。ファミリーマートとサークルKサンクスも統合し、CVSブランドの一本化を進める。持株会社及びコンビニ事業の本社は東京都に置き、GMS事業の本社は愛知県稲沢市に置く。


  今年3月に設置した両社の「統合検討委員会」をさらに一歩進め、「統合準備委員会」を10月15日に新設。今後は両社の企業理念を策定し、新会社とグループの社名を決め、経営陣や組織・人事体制も検討する。


  両社統合の話が最初に持ち上がったのは2007年。以来7年間は話が進捗しなかったが、2014年7月の小売業界の懇親ゴルフコンペで動き始めた。その間、2009年10月22日にファミリーマートを持分法適用会社としている伊藤忠商事とユニーが資本・業務提携に合意している。その日の会見で当時の伊藤忠商事・小林栄三社長はファミリーマートとサークルKサンクスの協力関係について、「ウィンウィンの関係が築ければ、色々な協業がありえる」と語っている。


  両社統合後はCVSを中心にして①国内グループ売上高3.8兆円、②連結営業利益679億円、③連結純利益225億円、④国内総店舗数1万8,642店、⑤海外店舗数5,964店の小売グループが誕生。イオン、セブン&アイに次ぐ第三極の流通グループの誕生となるが、5年以内の中期計画ではそれぞれ①5兆円以上②1,000億円以上③600億円以上で連結ROE12%以上の拡大政策を目指し、④2万店以上⑤1万店以上を見込んでいる。統合後は不採算店の閉鎖などの早期実現を進めながら、両社が持つ事業基盤を活用して、ネットや宅配、金融サービス分野などで新たな事業モデルの構築も図る。


今週の目次




流通羅針盤

ファミマとユニーが経営統合、基本合意するが前途難問山積み


今週の業界トピックス

イオンリテール 新潟県の名門SM清水商事をグループ化
イズミ 徳島県で7店展開するデイリーマートを子会社化
大塚食品 話題のチアシードを3,000粒使用した新商品発売


今週の開店情報


SJ中間決算レポート(CVS篇)

大手3社への寡占化が急速に進行中
 1位セブン、2位にファミリーマート浮上し、3位ローソン


SJ改装店レポート

創業の地の旗艦店 大幅リニューアル、ライブ感を全面に専門性も充実
 ダイエー神戸三宮店


ケーススタディ 商圏特性と競合各店のMD対応を見る⑦

震災以降、住みやすい街としての評価が高まった港町・神戸のSM合戦
神戸市・JR三ノ宮駅周辺


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

キング醸造[燻製―薫―Sweet]  フードジャーナリスト 旭 利彦
 かけるだけで燻製風料理に変わる画期的調味料


差別化への商品力強化 〈やまと豚〉フリーデンの戦略

国際味覚審査機構が三ツ星のお墨付
やまと豚「原種・管理+味」で万全体制


鍋用つゆメニューを強化 モランボン独自の冬の繊細戦略

精肉・鮮魚・青果の生鮮チャネルにきめ細かな対応


業界動向

味の素社、今歳暮で100余年のギフト事業に幕下ろす(中)


食品マーケティング

伸びる包装惣菜(パウチ惣菜)多角化
 チルド中心に和洋中華でバリエーション
日清製粉、業務用小麦粉値下げ(16年1月~)


今週の大店立地法公示速報


交差点

TPP終結の後には…



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