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No.866-2015/12/28

「鮮魚売場」でランチ。上海のシティスーパーで定着

No.866号

  刺身の単品や盛り合わせがずらっと並ぶ冷蔵ケースの横にシーフード・バーが併設され、サーモンやエビの入った海鮮丼を注文した若者たちが、おしゃべりに夢中。上海中心部のシティスーパーでは「ランチを売場」で済ます風景が当たり前になっていた―ようやくイートインの普及が本格化した日本にさきがける事例として、参考になりそうだ。


「スマホ決済」が主流


  日本の流通業界では今年、中国・香港に本社があるシティスーパーのレイアウトや食材の提供方法などが話題になり、阪急オアシスやダイエーといった取材先でも、その名を聞くことが増えた。


  「爆買い」と「PM2.5」「南沙問題」「景気の減速」―中国に関するニュースは、日本に少なからず関係することばかりだが、「実際は、どうなっているのだろう。この目で確かめたい」と思って、取材に向かった。


  「台湾や上海にも出店している」と聞いて、「これは、上海を見ておかねば…」と思った。なぜなら、香港や台湾は「かっこ」でくくれるぐらい体質が似ているから、本土の方の展開が大変だと思ったからだ。


  今回取材した「シティスーパー上海淮海環貿店」は、2014年6月にオープンした上海3号店で、銀座通りのような淮海中路沿いの商業ビル地下にあり、地下鉄の駅前でもある好立地だ。


  売場面積は3,600㎡。食品スーパー部分が3,000㎡で、キッチン用品などの雑貨店を併設している。惣菜やハム・ソーセージ、それにチーズ、ワインなどを全面に展開しているところは、日本の各社もかなりヒントを得たようだ。


  中でも新鮮に感じたのは、表紙写真の「シーフード・バー」と、隣接する「イートインコーナー」だ。その場所にもレジがあって、勘定はそこで済ますことができる。「現金のやり取りはどうしているのか?」など、ヤボなことを考えていたら、スマホ決済が主流だった。


  タクシーなんかも、スマホで予約できるし、運転手もアプリを使いこなしている。売場以外にも、革新の芽は多い。中国本土のシティスーパーの「百聞一見」をお勧めしたい。


今週の目次




流通羅針盤

フードアルチザン活動支援のイオン、地域食材で差別化図る


ニューストア [イトーヨーカドー食品館 新宿富久店]

専任スタッフを配したイートインスペース「富久Cafe」を充実


今週の業界トピックス

光洋・イオンマーケット 京阪神にあるイオンマーケット23店を光洋に譲渡
日本アクセス 10万人が選ぶフローズン・アワードで味の素冷食が2冠獲得!
AGF 消費者向けオープンカーや特注ソファ賞品をプレゼント


ケーススタディ 商圏特性と立地SMのMD対応を見る(9)

富裕層が暮らす町に阪急オアシス。既存店に少なからず影響
兵庫県西宮市苦楽園・甲陽園周辺


今週の開店情報


SJ新店レポート

労働力人口が多い、製造業特性の強い商圏で移転S&Bで面積倍増した500坪SM
 エコス TAIRAYA上三川店
セレクトショップ仕立ての空間演出で、選べる楽しさ発信
 MEGAドン・キホーテ神栖店
生鮮・惣菜のコンセ導入し、ワンストップショッピング目指す
 ザ・ガーデン自由が丘 川崎アゼリア店


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

アースエイド[葉にんにくのたれ ジェノベーゼ風イタリアンソース]
 土佐高知の伝統調味料がイタリア風に大変身


価格訴求の徹底 大塚食品の2015年戦略と成果を聞く

機能と食べ方提案でボンカレー上昇
「マイサイズ」にも波及効果で30%増


時代は変わるまっしぐら 明るい2016年が見えてきた

小さいチカラが「大きなコト」を動かす


食品マーケティング

SMの集客にデリカ・惣菜の魅力が課題
 *日替わりパック~チルド袋物惣菜
ロングライフチルドの1品完食メニュー


今週の大店立地法公示速報


交差点

サプリメント急増と一般食の見直し



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