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No.868-2016/01/18

JR中心に駅周辺のSC化が進行中

No.868号

  今年は例年より駅前型のショッピングセンターの開発が増えそうだ。計画されているだけで、仙台駅や恵比寿駅、福井駅、広島駅、熱海駅、新宿駅など10以上の駅に商業施設がオープンする予定。反面、昨年よりも大規模モールの開業数が減少する。高齢化に合わせ、近くて便利、個性的なSCが求められている。


駅前が今年開業のSCの特徴


  日本ショッピングセンター協会の村田公昭専務理事によると、昨年開業したショッピングセンターの特徴は5点と語る。「(1)複合型で大型のSC。(2)個性的で体験型をテーマとしたSC。(3)SMを中心としたネバフッド型SC。(4)20~30年経過した既存SCのリニューアルが増え、ファッション型からライフスタイル提案型SCへとシフト。(5)既存SCを業態転換して跡地を専門ビル化してリモデル」と挙げる。


  今年も流れとしては昨年と同様だが、昨年より複合型・大規模SCの開業数が減り、その代わり駅前や鉄道高架下の駅と直結した商業施設のオープンが増える予定だ。計画されているだけで、JRの仙台駅東口、恵比寿駅西口、大船渡駅(震災後は休止中)南口、福井駅西口、塚口駅東口、大垣駅南口、広島駅南口、熱海駅西口、新宿駅南口にSCが開業し、JR以外では京浜急行の川崎駅の駅ビルも建て替えられる。


  それ以外にも、日本郵便が2013年3月に開業した東京駅前のSC「KITTE(キッテ)」に続いて、「KITTE博多」を博多駅前に今春開業する。さらに、名古屋駅前にも6月17日に「KITTE名古屋」をオープンする。名古屋駅前には三菱地所がデベロッパーとなって「大名古屋ビル」も3月19日に開業する。「KITTE博多」には博多マルイがキーテナントとして入店。店舗面積は10万㎡を超え、今年最大の規模を誇る。


  少子高齢化が加速して進んでいる日本としては今後、郊外型の大規模SCの開発は首都圏などの都市部を除いて次第に減ってくる可能性が高い。今年、駅前の中心市街地に数多くのSCが開業するのはその象徴といえるかもしれない。コンビニのように近くて便利であると同時に、個性的なSCのニーズが高まっている。


今週の目次




流通羅針盤

4月から「不当表示」に課徴金導入、売上額の3%


今週の業界トピックス

セブン&アイHD 第3四半期は構造改革中のヨーカ堂が144億円の営業赤字
イオン 第3四半期はSMの業績回復が全体を牽引するも“改革道半ば”
イトーヨーカ堂 社長に亀井淳顧問が再登板
アクシアルリテイリング 今後3年で150億円投資。13店出店し7店閉鎖
AGF スティック日本茶3品を来月から新発売
日本製粉 日粉子会社が20日からの国際化粧品展に初参加


新連載 世界が感動する日本のおもてなしの歴史的変遷と実際・1

― OMOTENASHIが日本の代名詞に ― 小澤 信夫


2016年SCオープン予定一覧

駅ビルの建て替えなど駅前に10件が開業予定
大型モールは昨年より少ない4件の計画


新春トップインタビュー

自分達の商いを明確にすれば、ローカル企業でも生き残れる
 日本スーパーマーケット協会 会長 川野 幸夫 氏
多様化するニーズに対応し、半径1km圏内シェアを深堀
 ライフコーポレーション代表取締役社長 岩崎 高治 氏


今週の開店情報


SJ新店レポート

小売と飲食を融合させ、全時間帯で楽しめる空間を目指す
 イオンスタイル板橋前野町
SMの規模を適正化し、焼鳥、寿司、ベーカリーを特化するニュータウン店
 公正屋 コモアプラザ店


企業動向

味の素 “For One”の視点で、マーケットを創造する商品を開発
AGF 今夏限定の簡易ドリップ「濃厚アイスコーヒー」発売


食品マーケティング

上期市販用冷食の商品発表続く
第一弾、マルハニチロ「おいしいおかずシリーズ」
味の素冷食 「きちんとおかずシリーズ」など
惣菜ニーズ高く、食卓向け商品開発に競争強まる


今週の大店立地法公示速報


交差点

新年恒例の福袋



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