大阪の北部、千里ニュータウンにつながる箕面船場に阪急オアシス箕面船場店がオープンして4カ月。同社が2009年から展開している「高質食品専門館」の集大成ともいえる店舗だ。足元商圏は少ないが、2020年にも北大阪急行線が延伸され、店舗北側に新駅ができる予定だ。大阪大学の箕面キャンパスも移転して来る。
アメリカの東海岸で人気のあるホールフーズを参考に、ローコストでハイセンスな店づくりが実現した。ゆっくり買い物したい人には、打って付けの1,400㎡の売場面積がある。
表紙の写真に取り上げたキッチンステージでは、ナチュラルチーズと生ハムのカット販売や、オリーブの量り売り、オードブル、冷惣菜などを集めたサークルをメイン通路に配置した。
こだわりの単品集積から、“提案力”のある売場として情報発信ができるように、専門の研修を受けたスタッフが、お客さんとの会話を通じて、メニュー提案などに取り組む。
畜産売場を例に挙げると、かねてから取り組んでいる熟成牛肉の専門性をさらに追求し、新たに「熟成屋」としてコーナー化した。
熟成庫で仕上げた牛肉を素材で提供するのをはじめ、「熟成牛肉弁当」などの惣菜にも加工。うまさを知ってもらうPRも兼ねている。
ミートデリでは、新たにロテサリーを設置し、ローストチキンや焼豚など、オリジナルメニューを導入している。
目下の課題は平日対策だ。勤め帰りの人だと、千里中央駅で下車。そのまま、2009年開店の阪急オアシス千里中央店に直行。買い物を済ませて、バスに乗って帰るのが一般的だ。
だから、「他店にはない直輸入品も揃っていますよ。くつろぎのスペースも広いし、料理教室などのイベントもありますよ」と「居心地のいい空間」を打ち出している。
家電量販店が2~3階に入り、4~5階と屋上に駐車スペースがある箕面船場店。週末だけでなく、平日にも利用を促す新たな方策はないものか。(P10~13に新店レポートを掲載)
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