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No.888-2016/06/13

マックスバリュ東山店(姫路市)が大改装。込められた、みんなの思い

No.888号

  世界遺産の姫路城が北西方向にあるマックスバリュ東山店。20年の時を経て4月26日に大改装オープンした。姫路や加古川、神戸にも近い割に地価も安いので人口が増えている周辺は「灘のけんか祭り」の本場で、男くさい気質が残る町でもある。みんなで考えた「30代ニューファミリーにマッチした新しいタイプの店舗」の改装ポイントとは――。


「お父さんへの思い」売場に


  1995年12月に兵庫県下で初めて「マックスバリュ業態」として開店した東山店。改装に踏み切った最大の理由は4月29日に瀬戸内各県で24時間営業のスーパーを展開するハローズの「東姫路店」が出店して来る、からだった。


  5km足らず離れた住宅地に、24時間スーパーが2店もあることになった。ローコストをベースにするハローズとは同じ土俵では戦えない。そこで取った戦略はこれからの30代ファミリー世代を重視した売場だった。


  勇壮な祭りで盛り上がる土地柄を踏まえ、父権復活を旗印に「お父さんへの思い」を重視した売場づくりに徹した。地酒やおつまみの品揃えは、群を抜く。


  また、この店舗は農産から反時計回りに一方通行で買い物する欧米のスーパー式の入口が中央1カ所しかなく、入口と出口が右、左に分かれている構造だった。


  開店当初はこうした斬新なデザインが評判だったが、日本の消費者には不便と映った。しかし、入口には銀行のATMなどがあって、レイアウトを変更することも容易ではなかった。


  今回の改装で出入口は2カ所になり、右は農産から入る生鮮ゾーン、左はベーカリー・惣菜といった即食ゾーンに直接出入りすることが可能になった。売場面積は2,122㎡と改装前に比べ、252㎡増えた。


  撮影ポイントも案内してくれた竹村光司店長の売場説明はよどみがない。聞くと「どうしたら、便利なのか、みんなで考えましたから」との返答だった。当たり前のことのようだが、これが出来ておれば、迎え撃つ態勢に不足はない。


今週の目次




流通羅針盤

小売3大グループの株主総会、各社各様の総会模様


今週の業界トピックス

ヤマザワ 連結で営業収益1,200億円、経常利益30億円目指す
アクシアルリテイリング フレッセイ前橋物流センターを10月に新設
シジシ―ジャパン 堀内要助専務が社長に昇格
ジャパンミート 連結売上高は4.7%増の958億円を見込む
エコスグループ 宇都宮物流センターが稼働、栃木県、福島県をカバー
日本ボランタリーチェーン協会 創立50周年記念大会を都内で実施


世界が感動する日本のおもてなしの歴史的変遷と実際・10

― OMOTENASHIが日本の代名詞に ― 小澤 信夫


SJ決算レポート(SM篇)食品スーパー2016年9月期上半期

ヨーカ堂と情報共有化するダイイチが増収増益
 マミーマート、PLANT、マルキョウは増収減益


SJ新店レポート

さらに進化した店づくり。千里ブロックの重要なドミナント形成へ
 阪急オアシス 吹田穂波店
アリオ最大規模の体験型SC、郊外地で一大商業集積を形成
 セブンパークアリオ柏・イトーヨーカドーアリオ柏店
通常の半分110坪の売場、平日はオフィスニーズに対応
 リンコス九段店


明日の市場を拓くため 国分酒類総合展示・唎酒会開催

伝統の「灘・伏見の酒」復活へ飲み方提案など注力
ワイン充実、酒類と食品のマーケティング力で酒類市場の活性化提案


企業動向

伊藤園、16年4月期連結売上高が過去最高を更新


食品マーケティング

調理冷食、さらなる技術革新の競争
マルハニチロに見る売れ筋、商品戦略
 *暑い季節のピリ辛ビビンバ、汁なし担々麺など


今週の大店立地法公示速報


交差点

新しい店づくりが始動



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