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No.892-2016/07/11

ダイシン百貨店、ドンキスタイルに“ヘンシン”

No.892号

  旧ダイシン百貨店は「半径500m、シェア100%」をスローガンにお客の要望のあったものは1点でも取り寄せ、欲しいという人がいる限り売り続けるということで名を轟かせた下町の総合小売業だった。客層は全く異なるが、圧倒的な品揃えで消費者を引き寄せるドン・キホーテのスタイルとの融合でプラス効果が出せるのか、注目度は高い。


品揃え都内最大の10万アイテム、年商80億円


  6月30日にオープンした「MEGAドン・キホーテ大森山王店」は旧ダイシン百貨店の装いを新たに誕生した。ダイシンは52年間に渡って地場百貨店として親しまれていたが、近年は経済状況や顧客ニーズの変化により業績が下降線を辿っていた。2015年3月、ドン・キホーテと業務提携し、再び顧客の支持を獲得するために、店舗づくりを模索していたが、営業継続が難しい経営状態となった。ドン・キホーテグループ傘下入りすることで、ドンキが持つ店舗づくりのノウハウに、ダイシンが地場で培ってきた経験をプラスすることとなり、同社は新しい形の「MEGAドン・キホーテ」として生まれ変わることになった。


  これまで、ダイシンはシニアをコアターゲットとして営業していたことは広く知れ渡っている。「リニューアル後は家族みんなが楽しめる店舗を目指していく。コアターゲットはニューファミリーとし、3世代に来店してもらえる店舗空間を創造する」(竹内三善ダイシン百貨店社長)。ドンキは長崎屋を使って、MEGAドン・キホーテ業態を進化させてきた。しかし、こうした成功体験に甘んじることなく、52年の歴史を持つダイシンのノウハウをミックスさせることで、更に進化したMEGA業態を作り上げる考えだ。大森山王店の品揃えアイテム数はドンキグループ都内最大の10万アイテム。年商は約80億円を見込んでいる。


  「店舗の顔となる生鮮品及び食品、日用消耗品、家庭雑貨などの豊富な品揃えと商品を圧倒的な低価格で提供し、ドン・キホーテならではの皆が楽しめる空間演出で集客を図る」(竹内社長)考えだ。3階にはニトリをテナントとして誘致する。なお、店舗面積に限りがあり、あまり商品在庫を持つことのできない都心の小型店への物流拠点としても大森山王店は活用する考えだ。同店の営業時間は午前8時~翌午前3時まで。売場面積は1万539㎡。従業員数は330名(正社員86名、契約社員34名、アルバイト約210名)。品揃え構成比は生鮮品11.6%、その他食品21.8%、日用消耗品が25.6%…などとなっている。


今週の目次




流通羅針盤

既存店の重要度高まる。陳腐化防止へ各社各様の方策を模索


今週の業界トピックス

日本スーパーマーケット協会 軽減税率の導入は反対
イオン 家族や仲間が集まるお盆に“夏おせち”を提案
大塚製薬 日本最大の広告賞で初の栄冠
AGF コシノジュンコ氏と大震災支援で手組む


SJ新店・改装店レポート

第4次新MD店として生鮮4品のゾーニングを革新
 サミットストア 羽衣いちょう通り店
高級鮮魚、和牛など定評。「美味安心」や「成城石井」商品で差別化
 近商ストア ハーベス はびきの店
アトレから近隣のパルコに移転、売場は広がり、固定客の継続狙う
 ザ・ガーデン自由が丘 吉祥寺パルコ店


SJ決算レポート(生協篇)2016年3月期決算(2)

店舗事業の経常が前期より4億円改善し黒字転換
 コープネット事業連合 総供給高は2.9%増の5,100億円


iTQiで2年連続「三ツ星」 フリーデンの商品開発と販売戦略

「やまと豚」味覚審査で高評価受ける
精肉部門の付加価値活性にも積極策


「プラス糀シリーズ」拡充 マルコメが「甘酒」関連を強化

『甘酒メーカー糀美人MP101』発売


夏の売場にアクセント 敷島製パンとオエノングループ

敷島製パン 国産小麦にこだわったパンを2種類
オエノングループ 富久娘酒造「にごり酒」に720ml追加


食品マーケティング

島田屋(CGC加盟店)が業務SM3店舗目をオープン
 *売場約220坪、従来店より広く‘惣菜’対応へ
 *青果~魚など小口パックの少量多品種化の強化目立つ
 *冷凍野菜は多国産で1P=500gパック中心
日清製粉、惣菜への取り組み強化宣言
 *惣菜専業メーカー、グループ化でフルライン強化


今週の大店立地法公示速報


交差点

課題が多いスーパーフード



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