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No.902-2016/09/26

「流通の新たな聖地に」―本社と中央店を建て替えた関西スーパー

No.902号

  「スーパーマーケット業界のお手本企業」とされていた関西スーパーマーケットの本社と中央店が8月初旬、57年の歳月を経て建て替えられた。本社3階には、最新の調理実習室や研修室など、教育や惣菜開発の拠点が整備された。グロサリー部門でも、単に商品を積み上げるだけではなく「お客様目線」に立った陳列研修が始まった。


素材は「バックボーン」


  「バックヤードからお入り下さい」―売場面積に匹敵するような広いバック。冷塩水処理や流れるようなカートシステムに、関西スーパーを見学させてもらった流通同業者は、一様に驚いたものだ。


  「自社のバックなぞ、床はガタガタで、みんなカニ歩き状態。とても、よその人に見せられたものじゃない」という時代の話だ。


  あれから、57年の歳月が流れた。「スーパーマーケットは素材の提供が何より大事」という創業オーナー・北野祐次氏の考えを忠実に守ってきた関西スーパー。線路を隔てた西側には、阪急オアシスも出店してきた。


  「素材から惣菜」に大きく転換した時代に若干後れを取ったのは否めないが、リニューアルしたのを機に、売場と同じ新鮮な素材を使った惣菜の提供などを強化した。確かにアジのフライは、ぽってりと肉厚だった。お客はそれを口で評価してくれる。


  「真ん中にある商品、お客様が『取れないわ』と感じてしまったら、何のために積んでいるか、わからない」(蔵元孝幸・第3店舗運営グループ トレーナーチーム チームリーダー)。


  「陳列技術のマニュアルはあっても、店舗が増えると運用がマチマチになり、技術も一定しない。統一しようということです」。「どこの店舗でも同じような陳列を」と福谷耕治社長の肝入りで実現した。


  生鮮だけでなく、レジやグロサリーといった部門も部門ごとの技術を高める。元々、バックボーンのしっかりした企業だけに「流通の新たな聖地」になる日もそう遠くはないだろう。


今週の目次




今週の業界トピックス

ファミマとサークルKサンクスの商品統合、17年春までに前倒し完了
ジャパンミート 今期売上高で1,000億円に到達予定
ミニストップ ポストタバコの商品育成が今後の課題
フジッコ 「ビーンズキッチン蒸し黒豆」&「だいず水煮」
明治 チルドのレトルトスープ4品を新発売


今週の開店情報


SJ海外店レポート

「新しいライフスタイルを香港に」――アッパーミドル層に定着
 中国・香港/シティスーパーIFC店


SJ新店レポート

駅チカの同一施設内に2店を初展開。地元商品を強化
 ザ・ガーデン自由が丘 国立店
ビジネス立地でデリカの構成比が4割近いミニSM
 東急ストア フードステーション用賀店


注目の商品 モンテール/雪印メグミルク

ロカボとして注目される低糖質商品が急成長


秋シーズンの焼酎 オエノングループがこだわり展開

合同酒精が「刻の扉」3種類発売


ヨーグルト&飲料 明治 市乳部門秋冬戦略を強化

健康・手軽さ背景 ラインアップ強化


業界動向

大手乳業中心に特保や機能性ヨーグルトが好調


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

武田食品[桃のサングリア]  フードジャーナリスト 旭 利彦
甲州ワインと桃果汁を絶妙にコラボレーション


今週の大店立地法公示速報


交差点

新発想の「おふろカフェ」登場



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