マルエツは先ごろ開店したマルエツ糀谷駅前店で、鮮魚、精肉各部門の原料を使用して惣菜部門で製造した生鮮デリカの提供を始めた。旬や産地に詳しい素材部門と製造加工のノウハウを有する惣菜部門のコラボでよりおいしいデリカの提供を目指す。
有職主婦が専業主婦世帯を上回るなど、共稼ぎ世帯が増えるに従い、食の外部化が進む。スーパーマーケットの売場も青果売場ではカットフルーツ、袋入りカット野菜、はてはきざみネギパックなどがずらり並び、鮮魚売場では、焼魚、煮魚、精肉売場では味付け肉、ローストビーフなどレディツーイートないしヒートなどの即食商品が目白押し。すでに純粋に素材だけで売られている生鮮食品が数少なくなってきている。
そうした中、スーパーマーケットで急速に増えているのが、鮮魚、精肉部門での自部門の素材を使ったデリカ。焼魚、煮魚、魚フライ、ハンバーグ、サイコロステーキなどだ。大半がスチームコンベクションなどを設備するか、惣菜部門の設備を借りるかして行っているのが実態。部門の壁があるので、担当が惣菜作業室へ行って設備を借りてフライなどを揚げて自部門の売場で売るというのが一般的。
ただ、最近では大手SMでも部門間の振替えで生鮮部門から原料を調達して惣菜で製造・販売するケースが出てきている。今回のマルエツもその流れだが、290店舗も有する大手SMチェーンが本格的に取り組み始めた点で注目される。
マルエツの取り組みの詳細は本誌8頁の新店レポートを参考にしていただきたいが、精肉部門で産地開発したみちのく森林鶏や仙台牛、鮮魚部門で仕入れるほたて、いかなどを惣菜の作業室のフライヤーなどを使用して、唐揚げ、弁当、フライ、照焼などに加工して惣菜売場で惣菜商品として販売する。惣菜部門で取引先に発注し、店内で振替えるという仕組み。これまで鮮魚、精肉の各部門で行っていた加工を惣菜に一元化、売上も惣菜で計上する。これまで、縦割り組織が壁になって、こうした取り組みは難しかった。同社では「管理は縦割りのままでよいが、売り方、見せ方、伝え方を横断的に変えて、店全体のデリカ化を目指す」(上田真マルエツ社長)という究極のSMづくりに一歩踏み出した形だ。
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