台北市中心部の東にあるSC「微風広場(ブリーズセンター)」。その地下に、西洋や日本の本物の味を取り揃え、にぎわう食品スーパーがある。「他店と同じものを売るわけにはいかない」という信念のもと、輸入品には数えきれないほどある障害を乗り越え、商品を提供し続ける。来年10月には、待望の2号店が3倍のスケールで登場する。
九州ぐらいの大きさの島に2,354万人が住む台湾。首都・台北の人口はその1割を超えるほどだ。親日度が高く、手軽に行ける観光地として日本でも人気が高い。
朝早くから街角に軒を連ねる「小売市場」。衛生的とは言い難いが、手に取って見たまま値段交渉できる。夜市に代表される屋台文化も健在だ。「小売商業者が死ぬ気で選挙の応援をするから生き残っている」との見方もある。
その一方で、台湾の流通事情にも、大きな変化の波が押し寄せている。「Breeze Super」という、文字通り爽やかなネーミングの「微風超市」を訪ねた。2001年10月のオープンで、昨年3カ月間かけて改装したばかりだ。営業部・副総経理の西川正史氏に話を聞いた。
「サラダを例に取ると、オープン当初、台湾は日本より30年は遅れていたが、10年を経ずに縮まり、一緒になった。またDIYで、バルサミコ酢とオリーブオイル、塩、コショウ、マスタードを使って、ドレッシングを作る人が日本でどれだけいますか?」
その証拠にカイザー(シーザー)サラダに欠かせない「ローマン(ロメインレタス)」が一気に売れ、当たり前の存在になった。「何でも日本が進んでいる」と考えるのは、どうやら誤りで、知らなかっただけのようだ。(P10~13に「海外店レポート」を掲載)
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