セブン&アイ・ホールディングス(井阪隆一社長)とアスクル(岩田彰一郎社長)は生鮮食品のECビジネスに乗り出す。7月6日、両社が記者会見を開き発表した。
「扱いSKU数は多いが、買いたい商品が買えないことがある」「雨が降って需要が多い日に車が足りなくなる」といったネットスーパーの課題。これをアスクルの一般消費者向けEC「LOHACO(ロハコ)」のシステム・物流とセブン&アイの商品供給力を組み合わせることで「欲しい商品が100%、都合の良い時間に手に入る」(井阪セブン&アイ社長)、新しい生鮮ECを実現し、解決する。
アスクルはオフィス用品通販のナンバー1会社。今年2月に三芳センターが大火災の被害に遭い、セブン&アイが見舞いをしたのを機に今回の提携に繋がった。「アスクルはECシステムと物流、セブン&アイはリアル店舗とチームMD、安心安全を担保したサプライチェーンに強みを持ち、互いに強みが被らない」「オムニチャネル戦略をリアル店舗を活かした顧客戦略と再定義し自前にこだわらないで、スピードを重視した」と井阪社長は提携の狙いを説明している。
今回立ち上げる生鮮EC「IYフレッシュ(仮称)」は生鮮3品とセブンプレミアム、主力NBなどをイトーヨーカドー店舗とネットスーパーの品揃えから絞り込み、「ニンジンなら1SKUのみにして欠品しないようする」。
また、「7分で作れるメニューを30秒動画にしてサイト上で流し具材キットを販売する。商品は前日夜までに注文すれば、翌日、1時間単位の時間帯指定で届ける」(岩田アスクル社長)。同社の配送はAI化されていて「商品の到着を待ってトイレに行けないというストレスを解消するため、コンピュータで配送システムを組み30分単位でお届け予定を通知し、10分前にも直前通知する。そのため、通常約20%ある不在率は2.5%に削減されている」(岩田社長)。
11月末までに新宿区・文京区で試行を開始し、来年5月頃東京西部・北部に拡大、18年中に東京23区、20年秋ごろには首都圏に拡大する。当初はIYネットスーパー西日暮里店(ダークストア)にロハコの車が行って集荷し個配するが、アスクルとしても3温度帯センターの新設を計画する。
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