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No.941-2017/07/17

セブン&アイとアスクル生鮮ECに乗り出す

No.941号

ネットスーパーの不満を解決


  セブン&アイ・ホールディングス(井阪隆一社長)とアスクル(岩田彰一郎社長)は生鮮食品のECビジネスに乗り出す。7月6日、両社が記者会見を開き発表した。


  「扱いSKU数は多いが、買いたい商品が買えないことがある」「雨が降って需要が多い日に車が足りなくなる」といったネットスーパーの課題。これをアスクルの一般消費者向けEC「LOHACO(ロハコ)」のシステム・物流とセブン&アイの商品供給力を組み合わせることで「欲しい商品が100%、都合の良い時間に手に入る」(井阪セブン&アイ社長)、新しい生鮮ECを実現し、解決する。


  アスクルはオフィス用品通販のナンバー1会社。今年2月に三芳センターが大火災の被害に遭い、セブン&アイが見舞いをしたのを機に今回の提携に繋がった。「アスクルはECシステムと物流、セブン&アイはリアル店舗とチームMD、安心安全を担保したサプライチェーンに強みを持ち、互いに強みが被らない」「オムニチャネル戦略をリアル店舗を活かした顧客戦略と再定義し自前にこだわらないで、スピードを重視した」と井阪社長は提携の狙いを説明している。


  今回立ち上げる生鮮EC「IYフレッシュ(仮称)」は生鮮3品とセブンプレミアム、主力NBなどをイトーヨーカドー店舗とネットスーパーの品揃えから絞り込み、「ニンジンなら1SKUのみにして欠品しないようする」。


  また、「7分で作れるメニューを30秒動画にしてサイト上で流し具材キットを販売する。商品は前日夜までに注文すれば、翌日、1時間単位の時間帯指定で届ける」(岩田アスクル社長)。同社の配送はAI化されていて「商品の到着を待ってトイレに行けないというストレスを解消するため、コンピュータで配送システムを組み30分単位でお届け予定を通知し、10分前にも直前通知する。そのため、通常約20%ある不在率は2.5%に削減されている」(岩田社長)。


  11月末までに新宿区・文京区で試行を開始し、来年5月頃東京西部・北部に拡大、18年中に東京23区、20年秋ごろには首都圏に拡大する。当初はIYネットスーパー西日暮里店(ダークストア)にロハコの車が行って集荷し個配するが、アスクルとしても3温度帯センターの新設を計画する。


今週の目次




今週の業界トピックス

イオン 3~5月期営業利益過去最高、2年ぶり最終黒字
日本SM協会 川野幸夫会長、消費税引き上げ時での軽減税率の廃止求める
ファミリーマート ファミマでライザップ、スタッフが糖質コントロール生活開始


メーカー トピックス

プリマハム 3月に新発売した糖質ゼロのハムとベーコンが好調
マルコメ 味噌をベースに新粉末調味料2品を発売


新 激戦地 ストアシーイングMAP

粉浜駅周辺 大阪府|大阪市 住之江区・住吉区


本誌創刊20周年記念特集

トップに聞くスーパーマーケット業界の課題と展望
経営者の腕が試される時代に
 株式会社エコス代表取締役会長兼CEO
 平 富郎 氏


世界が感動する日本のおもてなしの歴史的変遷と実際・36

― OMOTENASHIが日本の代名詞に ― 小澤 信夫


SJW新店レポート

中央市場と直結の「食」特化型フロア 「寿司カウンター」もあります
 イオンスタイル神戸南


青果の最前線を聞く

農大出身の生産者の農産物コーナーを年内に導入
 サミット 青果部マネジャー 長山 剛 氏
各店のチーフが大田市場で直接買い付け
 オオゼキ 青果部門課長 白田 信也 氏
生産者も消費者も安心できる農業ビジネスを追求
 JA全農青果センター 代表取締役社長 牧口 正則 氏
サラダクラブ 新感覚サラダ「ベジパスタ」を関東から関西・中国へ販売拡大
カゴメ 高機能トマト「スーパーベジタブル」に注力


企業動向

味の素AGF、今年度を真の創業の年にする3ヶ年計画を発表


世界のお茶と文化の普及 日本緑茶センターの功績

日本にハーブティーの世界を拓いた
北島勇会長の労苦とアイデアと戦略


食品マーケティング

業務用冷食に惣菜向け調理品強化―マルハニチロ-
 *「粗挽きまぐろのたたき」冷凍スティックのまま活用、赤色が長時間持続
 *赤坂璃宮監修の点心メニュー・春巻の強化
家庭用冷食、大人向け「お弁当のおかず」にターゲット-ニチレイフーズ-
 *米飯の「焼おにぎり」はリニューアル


今週の大店立地法公示速報


交差点

超異常気象をどう凌ぐ!



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