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No.942-2017/07/24

買ってすぐに食べる「ここデリ」の第一歩

No.942号

スーパーと飲食スペースが一体化


長い間、タブーだったことが、何かのきっかけに「解禁」になることがある。スーパーの店内で、買ったモノをその場で食べるという習慣は、なかなか日本では受け入れられてこなかった。だが、ここに来て、この風潮は、急速に変わりつつある。マレーシアの伊勢丹で見かけた光景が、神戸のウォーターフロントに生まれたイオンスタイルの店舗でも実現した。  


  お昼前、買い物カートを傍らに置いた主婦3人が、よもやま話に花を咲かせている。「ダンナさんが働いてるときに飲める幸せを感じています」と笑いながら答えてくれた。


  表紙の写真は7月14日、神戸のハーバーランドにオープンしたイオンスタイルumie(うみえ)での一コマ。1年前まで営業していたイズミヤのGMSを300席のイートインを備えた「即食空間」に業態変換した。


  ステーキ、パスタ、サラダといった直営の店舗があり、ワインも手軽に楽しめる。その先では、冷蔵ケースが低い運転音を立てている。スーパーと飲食スペースが一体化した売場だ。


  「外食、中食、内食という流れがあるが、中食は店で買ったモノを家に持って帰らなければならなかった。そんな面倒なことをせずに、『ここで食べよう』ということで『ここデリ』という名前を付けた」(イオンリテール 岡崎双一社長)


  「時間に追われる人にもライフスタイルとして定着しないかと思っている。そのような環境と面積を持っているのはイオンだけではないか。これを波及したい」(同)


  開港150年を迎えた港町・神戸は、新しいものを積極的に受け入る“進取の気性”に富んだ地域だ。「買ってすぐその場で食べる」、こうした「ここデリ」の第一歩が、踏み出された。


今週の目次




流通羅針盤

食市場でのネットとリアル企業の協働化が進む


今週の業界トピックス

食品スーパー2017年9月期上半期決算
 マミーマート 上期は神明町店、下期は新夏見店を出店
 PLANT 今後7年間に30店の出店目指し、本部組織を強化
 ダイイチ ヨーカ堂との連携が進み既存店売上は2.3%増
ドミー 連結・単体とも5月期本決算は減収減益
イオンモール 2018年秋に「イオンモール津みなみ」を出店予定


メーカー トピックス

味の素AGF 家庭用と業務用事業を一体化して提案
ミツカン 新ブランド「カップクック」を8月18日に新発売
味の素 「勝ち飯」をASVの中核となるテーマとして店頭で展開


今週の開店情報


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

北海道食彩フーズ ねこあし昆布だし
希少な猫足昆布を使った甘みと旨みたっぷり液体調味料


新 激戦地 ストアシーイングMAP

神戸港周辺 兵庫県|神戸市 中央区・兵庫区・長田区


SJW新店レポート

開発途上の新興住宅地でNSCの核となる600坪SM
 ヤオコー 浦和美園店
農産物直売所を一体化した複合SM、前橋市郊外に
 JAファーマーズ 朝倉町


SJW海外店レポート 中国|北京

売場にあふれる「自社農場の新鮮な青果」サービス充実で市民に好評
 菜鮮果美・科薈路店


五味商店18年の功績 意義ある「こだわり展示会」

中小問屋が流通の変革に大きく貢献
地方の店がこだわり商品導入で活路


注目のこだわり商品 ビバレ・ジャパン

玉ねぎをふんだんに使用した「玉ねぎ ぽん酢」を新発売


食品マーケティング

三菱食品「ダイヤモンドフェア」で小売業へ提案
 *社会構造変化(少子高齢化)でSMの売場対応策は?
 *強化策はデリカ、外食、生協宅配への商品開発&提案
 *産地加工場とのコラボ(実例.JA全農とちぎ、マルイチ産商)で訴求


今週の大店立地法公示速報


交差点

拡充されるSMの惣菜売場



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