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No.970-2018/02/26

町田市の27店舗で電子レシートの実証実験(業態を横断して購買情報を把握し、ネットに対抗)

No.970号

ウオレット(財布)の争奪戦始まる


  経済産業省は東京都町田市で「電子レシートの社会インフラ化実証実験」を2月13日から28日まで実施している。


  小売店で発行されるレシートを標準フォーマットで電子化し、スマホで見られるようにすることで、利用者にとっては、レシートを一元管理でき、家計簿代わりになる。一方小売店にとっては、「お客様がいつどこで何を買ったか、という情報を、店ないし企業が使いたい形に加工分析してお客様に最適なサービスを提供できる。日本でも、レシートの電子化によって新しいリテールテックへの展開に向けて大きな革新が期待できる」(林揚哲経済産業省商務・サービスグループ消費・流通政策課長)。


  実験には町田市内の三徳、ハック、ウエルシア、ココカラファイン、ミニストップ、東急ハンズ、銀座コージーコーナーの7社27店舗が参加。利用者はアプリをスマホにダウンロードし会員登録。店での会計前にレジでスマホのバーコードを提示し、スキャニングしてもらえば、3秒後にスマホに電子レシートがアップされる。スマホにはレシートが蓄積される仕組み。


  企業側ではデータ分析により、①性年代別の買い物の特徴・買い回り。②業種・業態での買い物の特徴。③商品(分類・アイテム)の購入ボリュームなどが分かる。

  三徳の椿洋一郎専務は「昨今、十人十色というライフスタイルに対応しながら、さらにネット社会と戦うのではなくて、共存しながら勝ち抜いていくということを考えた時に、今回の取り組みが一つの答えになってくると思う」と言い、データ分析では「ドラッグストアなど異業態の購買動向はなかなか知ることができないので、今回の実験ではその面でも期待している」と話している。


  ある関係者は、「これはアマゾン対策。アマゾンは個人の検索データから次に何を欲しているかなどの情報を把握して、何かを買えば、次に欲しがられている商品情報を的確に提案してくる。一方でリアルの店舗はそうした情報はほとんど持っていない。今や消費者の支払いは現金だけでなく、クレジット、電子マネー、ネットなど多岐に渡っていて、ウオレット(財布)をどこが握るかの争奪戦に入っており、今回の電子レシートの標準化と拡大はその大きなカギを握っている」と話している。


今週の目次




2018年のオープン予定SC一覧 日本ショッピングセンター協会

2018年は「日本橋髙島屋S.C.」など42ヵ所が開業予定


2017年のオープンSC一覧 日本ショッピングセンター協会

2017年に開設したSCは48件


今週の業界トピックス

ジェイアール東日本都市開発 シャポー船橋に新たに南館が開業
日本ボランタリーチェーン協会 新春賀詞交歓会で齋藤会長が挨拶
日本フランチャイズチェーン協会 新春賀詞交歓会で中山会長が挨拶
日本ロジスティクスシステム協会 AIを通じて日本発の方向感を発信すべき


メーカー トピックス

サントリー食品インターナショナル セブン‐イレブンにスタバ初の新炭酸飲料


今週の開店情報


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

月星食品 [ポテト入り焼きそば]
焼きそばブームに足利市のソウルフードが参戦か


SJW新店・改装店レポート

全面改装で、買い易さと快適な店づくりを実現し支持される
 エレナ 久原店
化学調味料無添加の惣菜を初導入。単身、高齢世帯への対応を充実
 マルエツ プチ 三田二丁目店


SJW海外店レポート シンガポール|オーチャードロード

人の流れをも変えた出店、「価格破壊」で長年の商習慣を打ち破る
 DON DON DONKI オーチャードセントラル店


早春の新商品

合同酒精 クラフトサワーズとグランブルー
日本緑茶センター 「オークハニー」を発売


企業動向

昭和産業、第3四半期決算は減収減益


食品マーケティング

*SMトレードショー展示ブースから
三菱食品、卸と両立で提案販売推進
 *糖質オフ「からだシフト」コーナー化訴求
 *海外品 イタリアパスタ・バリラ日本販売代理業
ファーマインド、国内外での提携推進
 *オリックス~台湾農産公社等から集荷拡充
信栄食品、200種の‘餃子’に専業で対応
 *「松本一本ねぎ餃子」「野沢菜餃子」などでデモ
日清フーズ「青の洞窟 SAPPORO」特別協賛
 *今春の新商品「青の洞窟 生パスタ3種のチーズのボロネーゼ」提供


今週の大店立地法公示速報


交差点

「イートイン」も沸いた!



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