SJW店舗ウォッチング
西鉄ストア スピナ ラソリエ
「喜んで、調理いたします」――そんなPOPを掲げて対面売場で漁港直送の鮮魚を並べ、市場感覚で丸物魚を売る。今では当たり前になった「鮮魚強化策」だが、現実はマグロやサケといった定番ばかりが売れ、肝心の調理には閑古鳥が鳴く、といったことはないだろうか。こんな風潮がある中で、大改装を機に「新鮮な素材の提供」というスーパーの原点復帰にカジを切ったスーパーがある。
玄界灘の荒波にもまれたサバやアジなど「青物」と言われる新鮮な魚種が豊富に水揚げされ、日々の食卓に上っていた福岡県北九州市。都市化が一段落し、今度は少子高齢化で人口減少時代がやって来た。そんな中で、地元で親しまれている八幡東区にある西鉄ストア「スピナマート高見店」が「スピナラソリエ」と名を変え、2月23日に改装オープンした。
今回の改装のポイントは「鮮魚売場」にあった。腰が低いケースに丸魚を並べ、スピナマートでは鮮魚売場は都会型になっていたのを「もういっぺん見直し、一匹モノをその場でさばく」(玉木浩社長)――を前面に押し出した。「年を取ると調理が厄介で、マンション暮らしでは臭いがこもる。ゴミの日に合わせて、うろこや内臓を捨てるのが面倒」という魚好きのオールドファンでも持っていた悩みを解消した。
格安ドラッグやディスカウンターの本場・九州。価格競争では、競合相手には勝てない。「3枚に下ろして」「アラ炊きにしたいから…」という「青物文化」が下地にある地域ならではの注文の多さが目立つ。CGCの「自然のあしあと ノルウェー産の生サーモン 」などもきっちり品揃えし、全方位で“鮮魚ファン”の心をとらえる。(P10~14に改装店レポートを掲載)
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