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No.972-2018/03/12

SJW店舗ウォッチング

西鉄ストア スピナ ラソリエ

「青物文化」の復活担う調理サービス

No.972号

全方位で“鮮魚ファン”の心とらえる


  「喜んで、調理いたします」――そんなPOPを掲げて対面売場で漁港直送の鮮魚を並べ、市場感覚で丸物魚を売る。今では当たり前になった「鮮魚強化策」だが、現実はマグロやサケといった定番ばかりが売れ、肝心の調理には閑古鳥が鳴く、といったことはないだろうか。こんな風潮がある中で、大改装を機に「新鮮な素材の提供」というスーパーの原点復帰にカジを切ったスーパーがある。


  玄界灘の荒波にもまれたサバやアジなど「青物」と言われる新鮮な魚種が豊富に水揚げされ、日々の食卓に上っていた福岡県北九州市。都市化が一段落し、今度は少子高齢化で人口減少時代がやって来た。そんな中で、地元で親しまれている八幡東区にある西鉄ストア「スピナマート高見店」が「スピナラソリエ」と名を変え、2月23日に改装オープンした。


  今回の改装のポイントは「鮮魚売場」にあった。腰が低いケースに丸魚を並べ、スピナマートでは鮮魚売場は都会型になっていたのを「もういっぺん見直し、一匹モノをその場でさばく」(玉木浩社長)――を前面に押し出した。「年を取ると調理が厄介で、マンション暮らしでは臭いがこもる。ゴミの日に合わせて、うろこや内臓を捨てるのが面倒」という魚好きのオールドファンでも持っていた悩みを解消した。


  格安ドラッグやディスカウンターの本場・九州。価格競争では、競合相手には勝てない。「3枚に下ろして」「アラ炊きにしたいから…」という「青物文化」が下地にある地域ならではの注文の多さが目立つ。CGCの「自然のあしあと ノルウェー産の生サーモン 」などもきっちり品揃えし、全方位で“鮮魚ファン”の心をとらえる。(P10~14に改装店レポートを掲載)


今週の目次




今週の業界トピックス

セブン-イレブン・ジャパン 国内初、2万店突破。既存店の集客力にやや陰り
綿半HD Jマート買収が寄与し、スーパーセンター事業の業績が伸張
日本協同組合連合協議会 新連携組織「日本協同組合連携機構」が4月発足
セブン&アイ・HD 6本部制に、経営推進本部長に伊藤順朗取締役常務執行役員


メーカー&ベンダー トピックス

大塚食品 50周年のボンカレーに新シリーズ登場
森永乳業 塩分・糖分・脂肪分をケアするヨーグルトを発売
三菱食品 第3四半期決算は増収減益


ニューストア |綿半スーパーセンター東村山店

都市型スーパーセンターの新業態、店内製造のデリカや青果販売


今週の開店情報


SJW新店・改装店レポート

新しい絆をどう繋ぐのか、挑戦が始まった。先ずは鮮魚の調理サービス
 西鉄ストア スピナ ラソリエ
S&Bで店内製造の総菜とベーカリー新設。1.5倍の売場に
 サミットストア 江原町店
高所得者層の多い住宅地で簡便と高級志向に合わせた店づくり
 ライフ 青葉しらとり台店


リキュールと本格焼酎 オエノングループが新商品

合同酒精が「ホリックシリーズ」新商品
福徳長酒類が博多の華シリーズ新商品


食品マーケティング

日清フーズ、家庭用・冷凍パスタの商品力強化
 *今上期の新商品は「青の洞窟」生パスタを全面に
 *主流「THE PASTA」~「超もち生パスタ」販促
 *小分け「お弁当用スパゲティ」を「いろいろ便利な」へ表示転換
日清製粉グループ、3月期第3四半期決算、減収増益へ 


今週の大店立地法公示速報


交差点

変化の激しいレジ周り



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