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No.978-2018/04/23

「無人コンビニ」は、まだ実験段階(中国・上海)

No.978号

「自動運転」同様、課題は満載


  スマホによる電子決済が急速に進み、商品代金を現金で支払うのは高齢者と決済口座を持っていない外国人ばかり――そんなEC社会に一変した中国。今度は「中国のベンチャー企業が開発した無人コンビニが各地で増えている」と聞いたので、仏系のハイパーマーケット「欧尚(オーシャン)」の駐車場の一角にある「実験店」をのぞいてみた。


  中国・上海の旧市街地から東北に延びる地下鉄12号線の寧国路駅から東に徒歩5分。道行く人に「欧尚はどこ?」と聞いて、目的のショッピングセンターにたどり着いた。中国では「家楽福(カルフール)」に次いで、おなじみの店舗だ。


  平面駐車場の一角、真っ赤な長方形の箱が「無人コンビニ」だ。2坪ほどの中をのぞくと、500SKUほどの飲料やお菓子が整然と並んでおり、セルフレジも見える。お客はスマホでアプリをダウンロードし、扉にかざすとカギが開くので店内に入ることができる。一品ごとに張り付けてあるRFIDと呼ばれる札をスキャンして買い物をする方式と聞いていたが、電子棚札しか確認できなかった。お昼時、30分ばかりウォッチしたが、無人の店内には誰も入らず、お客も“無人”だった。


  昨年6月「ビンゴボックス」という未来型のコンビニとしてオープンしたが、「電気回路の故障でアイスクリームが溶けたり、欠品や賞味期限の問題が続出し、撤退したと聞いていたけど…」(上海在住の主婦)。模様替えして、再デビューさせた形だ。


  人口が日本の14倍近くの中国でも、時間に拘束される「サービス関連」の業務を若者が好まないため、人手不足は深刻だ。そのため期待される「無人コンビニ」だが、「無人運転」同様、超えるべき課題は山ほどあるというのが、実情のようだ。


今週の目次




SJW トップインタビュー

新しいチャレンジを続け、成長を図る
 紀ノ國屋 代表取締役社長 堤口 貴子 氏


SJW新店レポート

「生鮮強化型店舗」に建て替え、買い物バスでつないだ再開店までの日々
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地域交流の場としてイートインやクッキングサポート充実
 フードマーケットカスミ 富士見ヶ丘店
アピタ撤退跡に居抜き出店。地元商品を豊富に揃える
 ヤオコー 館林アゼリアモール店


今週の業界トピックス

ポプラ 6月に中京地区へ進出し、初年度15店目指す
トーホー SM事業は赤字が継続、連結も減収減益


2018年ニュートラシューティカルズ戦略 大塚製薬

競争ではなく共感。若年層への取組が奏功したポカリスエット
各都道府県と協力し、健康寿命の延伸に向けた啓発活動を強化


企業動向

森乳、新機能訴求の「トリプルアタック」テコに需要喚起


食品マーケティング

蒸し大豆で効果、食後血糖値の抑制
 *「大豆ファースト」の有用性=フジッコ、血管専門医が説明=
日清フーズが「パスタらいふ コミュニティ」を開設
 *会員向け特別イベント、プレゼント企画の開催へ
東洋水産がカサゴなど稚魚の放流へ(5月16日)
 *5月から「マルちゃん正麺 冷し担担麺 5食パック」新発売


巷で秘かに売れ始めている 注目!フーズ&ドリンクス

第一食品 [みもな]
日本の“美味しい四季”をアイスクリームで表現


今週の大店立地法公示速報


交差点

新幹線にチキンの「出前」



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