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No.1001-2018/10/22

イオンのSM改革とフジとの資本業務提携。ユニーのドンキ化

No.1001号

新しいSMとGMSの誕生は


  ユニー株を40%保有するドンキホーテホールディングスは10月11日、60%を追加取得し完全子会社とする発表を行った。ユニーはファミリーマート傘下となり持株会社ユニー・ファミリーマートホールディングスの子会社となっていたが、今後は店舗においてドンキ色を強める。現在、ドンキ化したユニーは「MEGAドン・キホーテUNY」として6店展開しているが、6店計の今年3月~8月までの半年間の売上は前年同期の68億円から132億円と90%増、6店計の1日当たりの平均客数は2万人から3.2万人と60%増を記録した。今回の完全子会社化に伴い、ドンキ化したユニーは来年20店を転換し、5年以内にユニーのほぼ半分に当たる90店強をドンキ化する計画だ。


  ユニーのドンキ化発表の前日の10月10日に、イオンは日本全国を6エリアに分けてグループ各社の経営統合を2019年3月~2020年3月にかけて実施すると発表し、10月12日にはイオンとフジとの資本業務提携の契約を締結した。


  イオンはこれまでGMS改革を進めてきたが、ここ数年はM&Aを積極的に行った結果、3.1兆円のGMSの売上を上回る3.2兆円の規模までSM業態は急成長。GMS改革と同時にSM改革にも着手することで、時代に合わせた店づくりを模索する。改革の根底には既存のSMからの脱皮と新しいSM像の構築がある。アマゾンなどのeコマースの進展で、消費者のニーズは多様化すると同時に変化のスピードが加速している。SMはイートインコーナーをカフェ化したり、バーの要素を付加し、その店で販売している商品をその場で食べたり飲んだりする「食の体験」の場を提供するところが増えており、SMと外食店との境目がなくなりつつある。


  ユニーのドンキ化では圧縮陳列やパーティグッズに代表されるようなアミューズメント関連商品が増えている。ユニーは旧態依然としたGMSをドンキと融合することで、これまで獲得しきれなかった若い客層を取り込むことに成功しつつある。脱GMS、脱SMへと転換し、新業態に変化することで、少子高齢化が進む日本の中で存在感を持つ店の誕生が望まれている。


今週の目次




流通羅針盤

 食への危機感が突き動かす流通再編、業態を越えて加速する


今週の業界トピックス

 ユニー・ファミマHD&ドンキHD
  第3極の巨大流通グループ誕生、ユニーファミマ、ドンキ連携深まる
 イオン SM改革に着手。キーワードは地域とスピード
  ダイエー 光洋を吸収合併
  マックスバリュ西日本 マルナカと山陽マルナカを吸収合併
  マックスバリュ東海 マックスバリュ中部を吸収合併
  イオン北海道 マックスバリュ北海道を吸収合併
  イオン九州 マックスバリュ九州、イオンストア九州と持株会社制で経営統合
  マックスバリュ東北 イオンリテール㈱東北カンパニーと経営統合
  イオン&フジ 資本業務提携、中四国エリアで圧倒的な市場シェアを狙う


メーカートピックス

 雪印メグミルク 通販会社を株式取得し子会社化
 東洋水産 「マルちゃん麺屋 極鶏 赤だく」全国発売
 サバ缶市場 サバ缶供給不足で異変続くSMの缶詰め売り場


今週の開店情報

本誌創刊1000号記念インタビュー
スーパーマーケット業界の課題と展望
 リアル店舗+ECの最強VCに
  協同組合セルコチェーン理事長/さえきセルバHD代表取締役社長 佐伯 行彦 氏
 自ら考え行動する組織に
  サミット代表取締役社長 竹野 浩樹 氏
 新たなマーケットの創出へ
  セブン‐イレブン・ジャパン代表取締役社長 古屋 一樹 氏


今道剛の中国キャッシュレス現地事情レポート[第4回]

 財布を使わない生活が普通に 「紅包」にも電子マネー使用


SJW新店レポート

 若い人から支持される店舗、敷地内は禁煙 待たれる前面道路の開通
  丸久 アルク 厚南店
 糖質カットの寿司を新提案、ワインを強化し、高感度商品を揃える
  ヤオコー 新浦安店


マンパワーの育成戦力化とマンアワー確保の処方箋・25

 ― 生産年齢人口(働く人)激減の諸施策 ― 小澤 信夫


今週の大店立地法公示速報


交差点

平成最後の晩秋を楽しむ



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