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No.1003-2018/11/05

JR東日本がAIを活用した無人決済店舗を赤羽駅で実験

No.1003号

無人キヨスクの実験


  JR東日本は10月17日から2カ月間、AIを活用した無人決済店舗の実験を行っている。場所は赤羽駅5、6番線ホームの南口側。かつては通常のキヨスクが営業していたが、2016年に閉店。その建物を無人店舗に再利用した。店舗面積は21㎡。取扱商品は紀ノ国屋のオリジナルパンとチルドデザート、菓子と飲料の約140アイテム。紀ノ国屋が毎朝、商品を店舗に供給。発注は紀ノ国屋アントレエキュート上野店が行う。酒やタバコ、新聞・雑誌、雑貨はない。店内は商品を補充陳列する従業員以外は無人で、客は3人まで入店可能だ。


  店舗入口のカウンターの丸い部分にSuicaなど交通系電子マネーを翳すと、自動ドアが開き、入店できる。陳列している商品を手に取ると、店内に設置されているセンサーとカメラが認識し、出口付近のカウンターの丸い部分にSuicaを翳せば自動的に決済され、出口の自動ドアが開く仕組み。店内で一度手に取った商品を陳列棚に戻した場合もAIが認識し、決済されない。


  今回も実験店のため、平日の10時~20時までの営業時間中は、店舗の利用説明のため入口と出口に1人ずつ人を配置し、トラブルにも対処。土日祝日は休業する。売場の天井や陳列棚の上部にカメラとセンサーを設置し、「スーパーワンダーレジ」という6年前に開発した無人決済機器とAIを組み合わせたシステムで、自動的に購入商品の金額を算出。交通系電子マネーで素早く決済される。店内にはエアコンがついており、商品を保管する倉庫と事務スペースも狭いが確保している。買物カゴはなく、客は商品を手で持って購入する。


  キヨスクと言えば、新聞に雑誌、タバコにガムを素早く現金購入できる小型店として活躍してきたが、先の商品は全て以前に比べて売れなくなり、職人的な早わざを持っていた女性従業員も必要なくなった。JR東日本によると多くのキヨスクが閉店しているという。赤羽駅ではコンビニのニューデイズが4店、キヨスクは3店営業する。実験店では日商5万円を目指し、客数は1日130人、客単価は400円以内と想定する。人手不足対策のための実験であると同時に、スマホ保有者が増え、かつてのキヨスクの主力商品が売れなくなった時代に合わせて、即食商品を販売する新しいビジネスモデルの構築を目指す。


今週の目次




流通羅針盤

 「収益性の向上」が筆頭経営課題にSM年次統計報告書を発表


今週の業界トピックス

 西友&楽天 日本一を目指して楽天西友ネットスーパー本格稼働
 イズミ 災害などで上期減収減益、通期予想下方修正
 セブン‐イレブン セブンカフェ 淹れ立てコーヒー新型機を12月に投入
 全日本食品 第11次中期計画が9月からスタート


メーカー&ベンダー トピックス

 国分グローサーズチェーン キャッシュレス決済の完全無人売店を展開
 サラダクラブ ベジタブル麺は大根、人参、ケールの3種類を発売
 東洋水産 即席袋麺で「正麺・トリュフ香る芳醇醤油」
 明治 即効元気に新「凝縮栄養」を今月5日発売


SJW新店・改装店レポート

 売場先頭に総菜&ベーカリーを配置する新レイアウト店
  サミットストア 本天沼店
 旗艦店を全面改装しデリカと青果、催事を強化
  明治屋 広尾ストアー
 既存のGMS店に隣接、生鮮強化の小型店「コンビニ的な使い方を」
  イオンフードスタイル ベルスト鈴蘭台店


マンパワーの育成戦力化とマンアワー確保の処方箋・26

 ― 生産年齢人口(働く人)激減の諸施策 ― 小澤 信夫


チェーンストア・コンビニの9月度販売概況

 三連休が2回と台風前駆け込み需要が好影響
 タバコ増税前需要もありCVSも好調。SMは全企業が既存店プラス


今週の大店立地法公示速報


交差点

キャッシュレスは避けられないが…



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