SJW店舗ウォッチング
モリタ屋 クオリティフードマーケット SUINA室町(京都市下京区)
「献立の中心は和食」と思われがちだが、総務省の家計調査によると、京都府の牛肉消費量は全国トップ。パン食も根付いている。千年の都・京都は、食生活でも、断トツの豊かさがあることの証しだ。その京都の中心部で、伝統と文化の味「京都肉」を扱う、こだわりのスーパーがお目見えし、地元住民や内外の観光客の隠れ家的な買い物空間になっている。
京都市下京区函谷鉾町(かんこぼこちょう)に3月16日オープンした京都経済センター「SUINA室町」。四条烏丸・交差点の南西角の一等地だ。産業会館を建て替えたもので、最先端の飲食店や書店が入居する。その1階奥に150年の歴史がある牛肉専業のモリタ屋が「クオリティフードマーケットSUINA(粋な)室町」という店名で出店した。
牛肉の対面売場は、お客が商品を指差すと、中にいる従業員がグラム数などを聞き、手早く包装してくれる。揚げ物もこの店舗のウリだ。コロッケなど、パン粉を付けた状態で売っている。注文をすると「10分ほどお待ちください」と言われる。その間に他の買い物をして、受け取るわけだ。
周辺は、しゃれたマンションが増えている。近くには百貨店のいわゆるデパ地下は軒を連ねるものの、SMそのものが数少ないので、モリタ屋のオープンを喜ぶ声を、何人からか聞いた。値段のことより、「商品がいいから」という声が多かった。
もう一つは、京都を訪れるインバウンドの観光客が牛肉を買い求め、キッチン付きのホテルで、ワインとともに味わうことも多いそうだ。中山英樹店長は、「自社牧場を持ち、卸、飲食、小売りまですべてこなす企業です」と話す。牛肉のことを良く知る人が多い土地柄だけに、今後が楽しみな店舗だ。
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