「1日1回は魚を食べよう!」――こんなキャッチフレーズが世間で認知されることになってきたが、新店や改装店で「鮮魚売場」をのぞくと、様々な姿が浮かび上がって来る。富山県高岡市の新興住宅地にオープンした「大阪屋ショップ 出来田(できでん)店」。生鮮強化型の店舗で、特に鮮魚売場には力を入れた。
富山県の西部、高岡市は城下町の歴史をくむ、落ち着いた風情のある街だ。古くから銅器の製造が盛んで、その流れで三協アルミなどの製造業が拠点を構えている。富山湾に面した、氷見、新湊といった漁港からは新鮮な魚介類が水揚げされる。
JRの在来線と北陸新幹線に挟まれた新興住宅地に5月にオープンした「出来田店」。富山を地盤とする同社にとって、高岡市内は4店舗目の出店だ。生鮮3品のうち、特に強化されたのが鮮魚売場で、氷見のトロ箱に丸魚が詰まっていた。
地元では「ふくらぎ」と呼ばれるブリの幼魚の刺身が安価で並んでいた。身が「立っている」のが良く分かる。「地魚中心でまとめた売場」と思ったが、意外にもマグロとサーモンを強化した売場づくりだった。シケなどで、漁獲が天候に左右される“キトキト(新鮮)”な地魚より、安定した供給が見込め、老若問わず人気があるので、従来より2割ほど品揃えを強化した。
また、鮮魚を担当するのは、子会社の「大和海産」で、全社40店舗中14店舗で業務を展開。昨年3月、富山市内でオープンした新庄店では、地元で人気の鮮魚専門店「鮮魚河瀬」がテナントで入っている。何が何でも「直営」ではないのだ。売場をテナントに担ってもらうのは、人材確保の面でもメリットがあり、結果的には売場の活性化につながっている。(P16~19に出来田店の新店レポートを掲載)
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