マイバッグ、マイバスケット持参進むか
プラスチック製レジ袋有料化の義務化が7月1日から始まった。全小売業が対象で、CO2などの環境問題や、海洋汚染問題に対処するため。
本誌が6月15日号でレポートしたように、SM、コンビニでは多くの企業が大サイズ5円、大サイズ3円ないし2円で価格設定し、4分の3の企業がバイオマス25%以上を含むレジ袋でも有料にしている。経済産業省の指針では、バイオマス素材25%以上配合の袋は有料化の対象外になっている。動植物に由来する有機物であるバイオマスはカーボンニュートラルであることがその理由。
この規定を使って、ガスト、吉野家などの外食チェーンはバイオマス配合の袋を無料配布。SM、コンビニでも、ベルク、セコマなどがバイオマス配合袋を無料で配布。ベルクでは「当面の間」とし、いつまで続けるとは明言していないが、一方でマイバスケット・マイバッグのみの利用者にはベルクカードポイント10倍セールを7月末まで行い、マイバッグなどの利用を促進する。セコマは「7月1日からレジ袋有料化を検討していたが、新型コロナ感染拡大により、世界経済、日本経済に大きな影響を及ぼしていることから、今回、有料化を延期した。今後も有料化の価格と時期を継続して検討していく」とし、経済環境の厳しさから、今回の有料化を見送ったと説明している。
レジ袋有料化によって、買物袋持参率は確実に上がっている。1991年から取り組んでいるイオンでは現在、イオンリテールで85%、グループで80%になっている。昨年3月から開始したカスミでは8割、今年4月から始めたマルエツでは3か月で7割に達成している。
コロナ禍で惣菜のパック化、外食のテイクアウトの増加などでむしろプラスチック利用は増えている。レジ袋はプラスチック製品全体の僅か2%と言われる存在でしかないが、環境問題への啓発という点で、国民の大多数が利用するSM、コンビニが取組む意義は大きい。
コロナ禍の小売業実績、明暗分かれる。変化対応が求められる。
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