―イオンスタイル新浦安MONA内に開店した「@FROZEN」―
イオンリテールの後藤俊哉取締役専務執行役員商品担当は8月30日、冷凍食品の新業態開店の記者会見で、その背景について、「国内では人口動態、世帯構成の変化に加え、コロナ禍でのライフスタイル、食生活の変化もあり、冷食市場は拡大を続けている。近年では冷凍技術も向上していることから商品開発も進んでおり、21年度の冷凍食品の規模は8,032億円まで拡大すると予測されており、今後もさらに伸長すると言われている」と説明した。
実際、国内の家庭用冷凍食品の生産量は急速に伸びている。一般社団法人日本冷凍食品協会の統計では、生産量は数量ベースで家庭用は10年以降、14年を除いて毎年伸びていて、コロナ禍の20年には111.4%と2ケタ増を示し21年も103.6%と伸び、わずかながら業務用を初めて上回った。その構成比は50.0%で、11年の39.0%から11ポイントも増えた。
金額ベースでは20年には構成比53.2%と業務用を逆転、その勢いが21年も続いた。
コロナ禍での外食から内食へのシフトがそのスピードを速めたとみられるが、根本的には共働き世帯や単身世帯の増加がその背景にあるとみられる。イオンリテールでも@フローズンのターゲットを「時短ニーズの高い共働き世帯の夫婦、単身者、食の少量化・個食化を望むシニア層をメインにし、食のバラエティ化への期待が高いミレニアル、Z世代をサブターゲットに設定し、客層の拡大を狙う」(後藤取締役)と明確だ。
1号店に浦安市内の店舗を選んだ理由について、「浦安市の家族類型別構成比をみると、千葉県などに比べ子育て共働き世帯の構成比が高く、共働き夫婦が多い。また、店舗近隣地域の65歳以上の世帯割合は50%以上とシニア層が多くいて、浦安市は@フローズンを展開する上で、最も適した立地である」と、商圏特性からも冷食市場にマッチしているからとしている。
今後の展開は「支持されるMDの水平展開はあり得るが、店舗としての展開は1号店を検証してから」と慎重だ。
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