(大阪府茨木市山手台3丁目で)
京都や大阪の郊外で、安売りの地場スーパーを展開していた「ツジトミ」が昨年10月、突然店舗を閉鎖し、自社の電子マネーも返還されないまま雲隠れ――と一部週刊誌などでも報道されて、早くも8カ月。放置された食品が悪臭を放ち、一時はどうなるかと大変だったが後継店舗が決まり、6月からは什器の運び出しも始まるという。
この大変な物件に手を差し出したのは、滋賀県彦根市に本社がある平和堂だった。4月の決算発表で平松正嗣社長が「小商圏・小規模店舗の開発」とした、その1号店というわけだ。すでに5月16日付で「(仮称)茨木山手台店」として、店長の人事も発表されている。
◇…京都北部の亀岡に通じる幹線道から離れ、うねうねとした坂道の先に、一戸建て住宅が広がる。阪急バス停留所前の「ツジトミ」が入っていた「茨木サニータウン・ショッピングモール1号館」内は板囲いがされていた。
◇…傍らの折りたたみ机にツジトミ代理人の弁護士名で「破産手続き開始のお知らせ」が無造作に置かれ、「本物件内への立入及び物品の搬出禁止」と記されてあった。入り口ではドラッグストアが営業中だった。
◇…「もうね、突然のことだったので…」と女主人。「平和堂さんが来られるという話は聞いてますが、1日も早く開店してください。お願いです」と言う。子どもを2号館の理髪店に連れていくという主婦からは、「いくら車があっても、スーパーがないとホントに不便。開店は秋ですか?」と聞かれた。
◇…ニュータウンでは数千人が住む。道路状況も良くなり、新規に移り住む人も増えているが、初期にマイホームを建てた人たちの高齢化も進む。住民が「一日千秋」の思いで待っている150坪店舗の開店は晩秋にも。
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