イトーヨーカ堂は、これまでバラバラだった惣菜ブランドを一本化し、25年度までにすべての惣菜をオリジナル商品に切り替える方針。同社にしかない特色のある商品を打ち出していく。
一本化する惣菜の新ブランド名は「ヨーク・デリ」。グループの開発力や商品力を活かして、まずは250品を約200店で売り出す。「ヨーク・デリ」は“毎日食べたいおいしさ”をコンセプトにしている。
冷惣菜(サラダ、煮物など)は今年1月に立ち上げたピースデリ千葉工場でつくったものを中心に扱う。ピースデリは素材から取組んでいる。肉じゃが、コロッケ、ポテトサラダの原料であるジャガイモは契約産地の中からその時期に収穫して美味しい産地を選んで使用。出汁も非常に大切な要素と位置付け、工場の仕事は毎朝5時の出汁採りから始めている。
温惣菜では玉子焼きを中心に進める。産地と直接契約したこだわり卵を使い、ふわっと感を出すために店内加工で作っている。この玉子焼を弁当にも使っていく。惣菜の強化を同社構造改革の柱に据える意気込みが伝わる。
25年度に惣菜のオリジナル商品100%を目指しているが、ピースデリからの供給は25年度で惣菜全体の25%を見込む。それ以外は取引先からの仕入れになるが、すべてヨーカ堂のオリジナル品になる。メニュー開発、特に冷惣菜は、セブン-イレブンの知見を得ることが大きい。セブンのメーカーを巻き込んだチームMDなどを学んでいる。
ヨーカ堂は今回の取組みに加え、「24年度に約200億円を投じて、食品売り場などの改装を急ぐ。リストラや店舗閉鎖など後ろ向きの施策が続き、従業員につらい思いをさせている」(山本社長)。今回の惣菜改革を機に攻めの施策に転じ、モノを売る楽しさを取り戻していく。
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