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No.1284-2024/09/09

イトーヨーカ堂
都内全店に回収拠点設置し、家庭系廃食用油のリサイクル進める

(写真左からイトーヨーカ堂サステナビリティ推進部総括マネジャー小山遊子氏、ENEOSバイオ燃料部部長古谷大介氏、東京都環境局資源循環推進部長宗野喜志氏、吉川油脂代表取締役吉川千福氏、野村事務所取締役新規事業開発部部長田子康氏)


No.1284号

未使用食用油の持ち込みも


  家庭では固めるなど処理に手間がかかっている廃食用油。イトーヨーカ堂ではこうしたお客の負を解消しようと、家庭系廃食用油のリサイクルの実験に昨年から乗り出し、今年9月1日から都内全店へ拡大できるまでにこぎつけている。


  同社では2023年2月にイトーヨーカドーネットスーパー西日暮里店で、実証実験を開始、その後、東京都と廃食用油回収促進に関する協定を締結し、都内3拠点に回収拠点を拡大、今年8月末現在でヨークと合わせて都内計25店舗、全国で30店舗で回収を実施している。25年度までにIYとヨーク店舗全店での回収を目指す。


  仕組みは、店舗で専用リターナブルボトルを無償で配り、お客が廃油をボトルに入れて持参、店舗のサービスカウンターで回収、回収した廃油を吉川油脂が回収し、石鹸、インク溶剤などに再利用、将来的にはエネオスと航空燃料(SAF)の原料として活用することを目指している。


  廃食用油のリサイクルを行う吉川油脂の吉川千福社長は「日本の事業系廃油は年間40万トン、95%のリサイクル率になっている。家庭系は10万トンのうち4%しかリサイクルが進んでいない。全国の自治体で取り組んでいるがなかなか進んでいない。今回のようにお客様第一で考えるスーパーが取り組むことは意義が大きい」と話している。


  同取組みを推進しているイトーヨーカ堂小山遊子サステナビリティ推進部総括マネジャーは「お客様からは今まで困っていた廃食用油の処理が手軽にできるようになったと好評。実際に回収を始めてみると使用済油以外にもお中元お歳暮を頂きながら消費期限が切れてしまった未使用の油という想定外の回収もおきている。お客様の負に対して今回の取り組みが役に立っていることが分かってきた。SMは元々買い物のついでにトレー、ペットボトルを持ってきてリサイクルを進める文化があった。我々がこの取り組みを進めることで飛躍的に回収率を上げられることが可能になると考えている」と話している。


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